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第4回・「複合現実」で建設業を変える旗振り役

小柳建設の小柳卓蔵社長に聞く

日経BP総研 中堅・中小企業ラボ

2018年5月22日(火)

東京・武蔵境自動車教習所の髙橋明希社長が、経営者としての腕をさらに磨くため、キーパーソンから「人材採用・育成」「働きがい」などについて学んでいくシリーズ。第3回目は小柳(おやなぎ)建設(新潟県三条市)の小柳卓蔵社長がゲスト。

小柳建設は2017年4月、日本マイクロソフトと協業し、ヘッドマウントディスプレーの「HoloLens(ホロレンズ)」を建設現場で活用するプロジェクトを始めると発表して、話題を呼んだ。

建設業界は2020年開催の東京五輪に向けて需要は膨らんでいるものの、人手不足が深刻化。担い手の確保や育成に加え、生産性の向上が課題になっている。「ホロレンズがこれに一役買うかもしれない」と小柳社長は目論む。最先端のテクノロジーと結びつくことで社内にどんな変化が起きているのか話を聞いた。

髙橋:初めて会ったのはシリコンバレーでしたね。シリコンバレーにはどのくらいのペースで行っているのですか。

小柳卓蔵社長(以下、小柳):大体3、4カ月に1回、社員4、5人と一緒に行きます。

髙橋:そもそもなぜシリコンバレーに足を運ぶようになったのですか。

小柳:16年7月、カナダ・トロントで開かれたマイクロソフト主催のイベントに誘われたのがきっかけです。その前年、同社のクラウドサービス構築用プラットフォーム「Azure(アジュール)」を導入したことが縁で声をかけてもらいました。

 これが当社にとって大きな転機になりました。「HoloLens(ホロレンズ)」のデモンストレーションを目の前で見ることができたからです。

頭に被る立体表示装置が建設業を変革

髙橋:ホロレンズって何ですか。

小柳:ホロレンズとは頭に被るヘッドマウントディスプレーの一種です。一番の特徴は、VR(仮想現実)機器と違い、現実の空間を見ながら3D(3次元)のホログラムを操作できる点です。現実世界と仮想世界を複合させた、いわゆるMR(ミックスド・リアリティー、複合現実)を実現しています。

ヘッドマウントディスプレーの「ホロレンズ」を着用した髙橋社長(左)。現実の映像に立体の建物などが重ねて映し出される
写真:増井友和
小柳卓蔵(おやなぎ・たくぞう)氏
1981年新潟県生まれ。金融会社に勤務後、2008年に父が経営する小柳建設に入社し、管理部門、総務・人事部門などを担当。常務、専務を経て14年6月社長に就任
写真:増井友和

小柳建設

1945年に材木業で創業。その後、建設業へと業態転換し、現在は土木・建築のほか、埋蔵文化財調査などを手掛ける。売上高は81億円(2017年5月期)、従業員322人(2017年11月現在)