日経ビジネスONLINE Special週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

最終回・やる気を引き出し、サービスと生産性を両立

勤務形態の工夫でシフトの引き継ぎを最小限に

髙橋:支配人をどのような基準で選んでいるのですか。

黒田:自ら「リーダーをやりたい」という人に支配人をやってもらいます。選考時に重視しているのは、リーダーの経験があるかどうかです。サークルのリーダーでもPTAの役員でも、アパレルの店長でも構いません。リーダーとして苦労した経験がある人を採用しています。

髙橋明希(たかはし・あき)
髙橋明希(たかはし・あき)
1976年東京都生まれ。獨協大学卒業後、竹の塚モータースクールを経て、2001年武蔵境自動車教習所に入社。09年に社長就任。早稲田大学大学院修了。米スタンフォード大学留学を経て、17年米シリコンバレーに日本と米国の事業の橋渡しを手掛けるコンサルティング会社、ブリリアントホープを設立
写真:菊池一郎

髙橋:ちなみに、1店を何人くらいのスタッフで回しているのですか。

黒田:200室くらいの店舗の場合、社員とパートなど合わせて約40人で受け持ちます。

髙橋:そんなに少ないのですか。40人で回すために生産性向上の工夫は何かしていますか。

黒田:それが第一の目的ではなかったのですが、フロントの勤務体制として、合理的に最小限の人数で回せる「25 時間勤務の1勤務3休制」を採用しています。これは、4日を1つのサイクルとして、初日の午前10時30分から翌日の午前11時30分まで25時間の連続勤務をこなすという勤務形態です(編集注:25時間勤務には、仮眠時間と合わせて約4時間の休憩時間が含まれる)。仕事が終わるとその日の午後から3日間が休みになります。つまり、4日に1回、1カ月に8回だけ働く計算です。

 当社も店舗が数えるほどしかなかった頃は、3交代制(8時間×3人)でシフトを組んでいました。お客様が1泊する間に人が3回入れ替わるとなれば、申し送りだけでかなりの時間が取られます。一方で、今の仕組みなら引き継ぎは最小限かつスムーズに済み、お客様をお迎えしたときと同じスタッフがお見送りできます。

 これはまだ店舗が少なかった当時のフロントスタッフの発案で始まりました。「同じ給料で、働く時間が同じなら、コマ切れでなく、続けて働くほうがいい。その分、まとめて休みたい」という声からでした。