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第5回・元気に働ける環境づくりに注力

日経BP総研

2018年12月3日(月)

 情報通信のインフラ構築を主な事業としてきた協和エクシオ。建設業ゆえに女性の活躍があまりイメージできないが、同社は女性活躍推進法初年度の16年に認定企業最上位のいわゆる「えるぼし三ツ星」を獲得した。女性のみならず外国人の活躍も推進する小園文典社長は「人が生かし、個性を生かす会社は必ず成長する」と語る。(取材=麓幸子:日経BP総研フェロー、文=西尾英子)

ビジョンを描きにくくなった人にこそチャンスを与えたい

――社長に就任されて6年目。16年10月にはダイバーシティ推進体制を構築され、17年10月には人事部にダイバーシティ推進室を設置。その前年の16年には「えるぼし」最上位の三ツ星も取得されています。就任当初と比べ社内の雰囲気もだいぶ変わりつつあるのではないですか?

 協和エクシオ 小園社長
協和エクシオ 小園社長 2009年東日本電信電話代表取締役副社長ビジネス&オフィス事業推進本部長。12年協和エクシオ代表取締役副社長ビジネスソリューション事業本部長。13年代表取締役社長。

小園代表取締役社長(以下、小園):ダイバーシティ推進において我々はまだまだ“ひよっこ”ですよ。発展途上の段階。ただ、以前は出産を機に辞めてしまう女性が多かったようですが、最近はほとんどの人が職場復帰していますね。もともと弊社には優秀な女性社員がたくさんいるのに、大事にしすぎるあまりかえってチャンスを与えてこなかった。ですから今、新しいプロジェクトにも女性を配置するなど、様々な機会を与え育成している最中です。現在、女性管理職は14人。あと5年から10年もすればだいぶ景色が変わってくると思います。

 そもそも我々がなぜダイバーシティ推進に力を入れ始めたのかを少しお話ししますと、もともと建設業としてスタートし、主にNTT様などの通信インフラ構築工事を請け負ってきましたが、新規ビジネス領域の拡大に取り組み、ソフトの分野では女性社員も増えてきました。最近ではさらにビジネスが多方面に広がり、各部門を横断したプロジェクトも出てきています。この4月からは、「ICTイノベーション&エンジニアリング企業を目指して」をキャッチフレーズに、新たな業容拡大に向けて展開しています。だからこそ多様な人材の活躍がますます必要となるのです。

 ただ、これまでのビジネスのスタイルもあり、弊社の社員は少々受け身な面がある。時にはお客さんに積極的に提案すること、厳しい場面で交渉していくたくましさが必要です。特に男性陣は草食系が多いので、男女ともにたくましくなってほしいなと。そのためにいろんな機会を与え、能力を生かせるような仕組み作りを行っているところですね。

――例えば、どういった取り組みをされているのでしょうか。

小園:男女問わず、チャンスを与えています。例えば今、人事部にお願いしているのは、将来ビジョンを描きにくくなった人にも機会を与えてほしいということ。入社して5年10年経つと壁にぶつかる時期がある。そうした時にヒアリングをして悩みや希望を聞きつつ、別の業務にチャレンジさせてみる。幸い、弊社は手がける事業が幅広いので、どこかしら適性を生かせる場所があると思うんです。また、組織横断的にジョブローテーションを組むことで、会社全体のことも見えてきます。弊社の事業は工事の施工部隊が中心のため、従来は女性の技術者も少なく、女性が支店長になることはありませんでしたが、今年6月にやっと女性初の支店長が実現しました。

 2015年からはフィリピンでの語学留学制度も始めました。「1年」または「3カ月」の2コースで、1年コースは若い社員、「3カ月」コースは年齢や性別を問わず公募し、毎年3~5人ほどが学んできます。まだ女性は1人だけですが、この先どんどん出てきてくれるのではないでしょうか。いろんな人にチャンスを作り、いろんな人を生かしていきたいという思いがあります。

2015年からはフィリピンでの語学留学制度も開始。女性社員も1人参加している
2015年からはフィリピンでの語学留学制度も開始。女性社員も1人参加している

――「若者に元気がない」というのは日本全体を通していえることです。米国ギャラップ社の調査によると、日本には熱意あふれる社員がわずか6%しかおらず、調査した139カ国中132位と最下位クラス。なぜこうした事態に陥っていると思われますか?

小園:昔からの仕事の踏襲で“これさえやっていれば大丈夫”という意識が蔓延しているのかなと思います。失敗に対する寛容さがなくなり、何かあればすぐにたたく。これでは萎縮して新しいことにチャレンジできません。