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第6回・えるぼし三ツ星、なでしこ銘柄選定など外部評価高まる

昇進制度も見直し、女性が挑戦しやすいように試験の仕組みを変更

――数値目標として、2022年度までに女性管理職比率5%、女性リーダー級(係長相当)を7%という目標を掲げていますが、進捗はどうでしょうか。

川名:現在3%を切っている女性管理職を増やすには、まずは母数を増やすことが大前提です。そこで、新卒採用の女性比率の目標値を25%に設定して採用活動を行い、18年は19.7%に上昇しました。

 同時に、昇格制度も見直しました。管理職(課長)の1歩手前のリーダークラスであるシニアスタッフ(係長相当)の試験の仕組みを変更し、試験や論文など、何年かに分けて取ることができるようにしました。これにより、ライフステージで優先するものを自ら決め、それに合わせて取り組むことができるようになり、女性がシニアスタッフに挑戦しやすくなると考えています。シニアスタッフ層が増えると管理職の数が確実に増えていくと期待しているところです。

 ここ5年ほど、管理職向けの講演会で、社外の女性を講師としてお呼びしているのですが、17年は、宇宙飛行士の向井千秋さんにダイバーシティをテーマにお話ししていただきました。志を持って夢を叶えた力強いエピソードに共感した女性も多かったようで、非常に好評でした。

――BtoB企業では、女性の採用に苦労しているところが多いのですが、どんな工夫をしたのでしょうか。

川名:理工系学生は女性比率が低いため、当社のような業種は、各社で人材確保の競争になります。ですからできる限り、ロールモデルとなる現役の女性社員に対外的なセミナーなどに出てもらい、PRをお願いしました。比較的若手でもいろいろな仕事を任せてもらえ、生き生きと取り組む姿を伝えることで、共感してもらえたなど、そこで働く姿をイメージしやすかったのではないでしょうか。18年は、理系女性の応募者が増え、全体採用数も72人と、ここ最近で一番多かったですね。

4月の入社式では新入社員の代表あいさつをマレーシア人男性が務めた
18年4月の入社式では新入社員の代表あいさつをマレーシア人男性が務めた

――セイコーエプソンは女性の平均勤続年数が22年と長い。「離職率が低い=働きやすい環境が整っている」ということだと思いますが、管理職にチャレンジする方は多くないのでしょうか。

川名:両立支援に関しては、かなり以前から取り組んでおり、離職率は低めです。ただ、上の職位になかなか挑戦をしないということが課題でした。特に、営業部隊は海外の現地法人とのやり取りなどで不規則な勤務になりがちなため、プライベートとの両立の観点から、敬遠する女性が多かった。ですが、最近では、営業職で活躍している女性も出てきており、長いスパンでやってきたことが少しずつ積み上がっているとうれしく感じます。

 先日は、当社のなかでも一番忙しい部署の一つであるプリンターの海外営業部門で、女性の課長が誕生しました。時短勤務の最中に昇進の打診があり、18年から就任しています。