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第6回・えるぼし三ツ星、なでしこ銘柄選定など外部評価高まる

所定労働時間を短縮、有休取得も奨励

――女性活躍において、一番の課題はどこにあると思いますか。

川名:やはり長時間労働です。これをなくしていくことが一番の課題だと考えています。17年度は経営層と女性社員との対話会を4回開催しているのですが、管理職や上のキャリアを目指す上で、長時間労働への不安が阻害要因になっているとあらためて実感しました。働き方改革とセットじゃないと女性活躍は進まない。そこで、事業単位で3年後の目標値を決め、働き方改革に取り組んでいるところです。

――具体的には、どのようなことに取り組んでいますか。

川名:総労働時間を減らすため、今年度は少し思いきったことをやろうと考えています。現在1日8時間の所定労働時間を7.75時間に短縮し、下期から実施する予定です。同時に有給休暇の取得も奨励していく。17年度からは、早帰りの意識改革を進めるために、水曜と金曜日の定時退社を徹底しています。

 部門の取り組みでは、最終終業時刻を見直したところもあります。これまでの22時以降から1時間早めて21時に変更。21時以降も働く場合は、手続きが必要になるので、みんな21時には帰るようになった。これは、てきめんに効果がありましたね。

管理職向け研修では昨年は宇宙飛行士の向井千秋氏が登壇
管理職向け研修では17年は宇宙飛行士の向井千秋氏が登壇

――現在、多くの企業が、様々な方法で生産性向上に取り組んでいます。セイコーエプソンではいかがでしょうか。

川名:当社もこれまで生産性向上に取り組んできましたが、やはり効果が出るには時間がかかります。そこで、まずは社員の健康を第一に考え、長時間労働による健康障害を起こさないために、健康管理に関する取り扱いを強化しました。おかげで長時間労働による健康障害はだいぶ少なくなりました。

 ただ、働き方改革は短期的に見ると、業績が厳しくなる可能性がある。労働時間を短縮したり、製品ラインナップを減らしたりするなど、これまでと大きくやり方を変えることになり、時にはトップにしか判断できない場面もあります。現場でも、事業責任を負う立場の部長クラスは、生産性向上を突き詰めることで一時的に売り上げが落ちることを恐れます。でも、もはやそんな時代ではない、それでは良い人材が採れず、競争に勝てないということを理解した上で、踏ん張っていかないといけません。業績に対する圧力と中長期的に会社を伸ばすために痛みを伴うことへのバランスをうまく取っていく。今後の課題でもあります。