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第6回・えるぼし三ツ星、なでしこ銘柄選定など外部評価高まる

時短勤務の女性のフルタイム復帰を促すため、在宅勤務も導入

――女性活躍の両立支援として、17年から1年間、育児のための在宅勤務のトライアルを実施しています。これは、どういったものになりますか?

川名:これまで、どちらかというと出産や育児で“休んでもらう”ための制度は充実させてきたのですが、より働きたいと思う方を支援するような制度が少ない状況でした。今回の在宅勤務導入は、キャリアを希望する方が、時短勤務からフルタイムへの挑戦をしやすくすることが狙いです。2017年4月にトライアルとして7人からスタートし、徐々に増えて30人、18年4月に正式導入を行い、現在39人が制度を利用中です。この制度では、8時間の所定労働時間のうち、1日6時間を超えて勤務する時間(例えば7時間勤務の場合は月20時間、8時間勤務の場合は月40時間まで)在宅で労働することが可能です。月の上限時間の範囲内であれば、時間単位、1日単位など、柔軟な運用が可能になっています。

 現在、対象者は育児と介護のみ。介護支援に関する取り組みも行っており、実態調査では、まだ介護に関わっている人は少なかったものの、今後発生した時に仕事を続けられるか不安という声もありました。現在、介護での在宅勤務は1人が利用しています。

――復帰を促すための在宅勤務というのは、ユニークですね。

川名:利用者を集めた対話会では、とてもありがたいという声が多かったですね。早朝や深夜の時間帯でも利用できるようにしてほしい、子どもと一緒の部屋でもOKにしてほしいなど、いろいろなリクエストもありました。一番気になっていたのは、職場や上司が対象者のことをどう思うかでしたが、周囲も好意的な意見が多く、何も障害はないと分かりました。

――在宅勤務を導入している会社のなかには、「仕事の見える化」が進み、上司と部下のコミュニケーションが逆によくなったという声もありました。どんな声が上がったのでしょうか。

川名:「急に休むこともあり、これまで重要な仕事は任せにくかったけれど、在宅でやってもらえることで、そうした仕事も任せられるようになった」「在宅勤務レポートの提出により以前よりも部下の仕事が把握しやすくなり、互いの理解が進んだ」など、概ね好意的な意見が多かったですね。

――男性の育休についても、マニュアルを作って推進していますね。

川名:「健やか休暇」といって、失効年休を最大60日まで積み立てが可能なのですが、それを育休に使えるようにしており、有給で育休が取得できます。17年度は19人が利用しました。他社と比べて人数は少ないのですが日数が多いんです。最低1週間以上、なかには1カ月の育休を取っている方も少なくない。いわば、「本気の育休」です(笑)。こちらも今後、引き続き、取得を促進していくつもりです。

(本記事は、ヒューマンキャピタルオンライン「麓幸⼦の働き⽅改⾰&⼥性活躍最前線」2018年6⽉5⽇掲載の記事を⼀部改編したものです)