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70万点の設計図をRPAで自動デジタル化

流体機械メーカー大手の荏原製作所の主力商品であるポンプの製品寿命は長く、50年以上前に設計されたものもある。そのメンテナンスには当時の設計図が必要となり、しかも約70万点もの図面の多くは紙ベースのまま保管されている。同社では、これらの設計図の情報をデジタル化するために、それを読み取るデータキャプチャー技術に注目。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と組み合わせることで、デジタル化への道を切り拓いた。

紙ベースで保管されている70万点の設計図が重荷に

 1912年に用水ポンプの製造を開始し今年で創業106年を迎える荏原製作所は、ポンプ事業を中心に、精密・電子事業、環境プラント事業などを展開している。同社のような産業機械メーカーでは、製品や部品の保守メンテナンスを続けていくことが重要な使命であることは言うまでもない。

 その使命を遂行するためには、製品の設計図の情報が必要になる。同社の標準ポンプ事業部 開発設計部 新規技術開発 課長の大山敦氏は「ポンプは製品寿命が長く、50年以上前に設計された製品も使われています。製品をリペアしたりオーバーホールするためには、昔の設計図の情報が必要になります」と話す。

大山 敦 氏
株式会社 荏原製作所
標準ポンプ事業部 開発設計部
新規技術開発 課長
大山 敦

 しかも、標準ポンプ事業部が提供している機種の数は膨大だ。登録上の機種の数は7万種、部品の図面数も合わせると70万点にもなる。現在、製品数については昨年までに7000機種までに絞り込んだものの、これまで納入してきた7万機種を保守していくためには全ての設計図の情報が必要になる。

 さらに問題なのは、これらの設計図の多くが紙ベースで保管されていることだ。約30年以上前からCADは導入されていたが、当初は設計図を作成することが目的であり、保管が目的ではなかった。社内規定でも「紙」をメインとして管理することになっており、古い図面のデジタル情報は残っていない。

 そのため、必要な設計図を探し出すには、エクセルベースの管理シートとにらみ合わせて探すしかない。それには時間がかかり、ベテランのカンも必要とされた。類似した製品の設計図を探そうとしても現実的には難しく、情報の再利用は困難な状況だった。

 同社はこれまでにもデジタル化には挑戦してきたが、それは設計図面をPDF化し、図面番号を見つけてエクセルシートに記入するという人海戦術によるアプローチだった。しかし、作業量が膨大なためにいつの間にか中断されるということが繰り返されてきたという。

 一方、工場にはすでにロボットが導入されて自動化が進められている。機械化することで品質の安定化も図られた。その先にあるデジタライゼーションへの期待が膨らむ中で設計図がデジタル化されていないことは、重い足かせとなっていたのである。そこで同社が注目したのが、設計図を読み取るデータキャプチャー技術だった。

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RPAなどのITを組み合わせた「自動デジタル化」に挑む...

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