日経ビジネスONLINE Special 週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

DTC、AI活用で多額の関税過払いを回避

全世界150カ国、24万5000人を超えるエキスパートと連携し、グローバルに事業展開する企業の経営をサポートしているデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC)は、FTA(自由貿易協定)の戦略的活用を実現するWebサービス「Trade Compass」を提供している。そのソリューション拡大に向けて乗り出したのが、膨大な文書などから自社が順守すべき輸出入ルールを探索するAI活用だ。

定性情報の活用により申請漏れによる多額の関税過払いを回避

羽生田 慶介 氏

 資源の乏しいわが国は、貿易立国として戦後の高度成長を遂げてきた。1980年代の貿易摩擦以降は、輸出依存型から内需依存型の経済への転換を図ってきたが、海外との取引量そのものは増加している。そして少子高齢化により国内市場が縮小していく中で、国境を越えたビジネスは多くの業界・企業にとって重要テーマとなっている。

 そこで企業が注目すべきは越境ビジネスを促進するために国や地域で結ばれるFTAである。しかし、その対応は容易ではない。世界には構想段階のものも含めて400件近いFTAが存在し、スパゲティボウル状態で絡み合っている。しかもその一つひとつが非常に複雑だ。例えばTPP(環太平洋経済連携協定)の場合、約6000ページにもわたる英語の協定文書が作成されている。

 こうした協定文書をマンパワーで読み込んで理解することは極めて困難だ。その結果として起こっているのがFTAの“使い漏れ”である。要するに、自社が本来活用できるはずのFTAの適用申請を行っていないがゆえに、不要な多額の関税支払いが発生している。

 ちなみに法人税が税引き前利益に対して課せられるのに対し、関税は輸入価格に対して課せられる。それはつまり関税3%分の支払いが、キャッシュインパクトで法人税30%にも相当することを意味する。FTAへの対応の巧拙が、企業の競争力や収益性に大きな影響を及ぼすことを常に意識しておく必要がある。

 この課題解決に早くから取り組んできたのがDTCで、最新および将来(最大10年先)の関税率や原産地規則などを簡単に素早く検索・比較できるWebサービス「Trade Compass(トレードコンパス)」を提供している。ユーザーは製造業をはじめ、商社、食品、アパレル、物流などあらゆる業種に及ぶ。

 特にTrade Compassが高い有用性を発揮するのがアジア地域だ。例えばヨーロッパであればEU(欧州連合)の枠組みのもとですでに広域な市場統合が実現されているが、アジア地域にはそのような仕組みはない。国ごとに時に複数のFTAが混然としており、その全貌を理解するのは容易ではない。したがってアジアに位置し、アジア各国の企業とのバリューチェーン構築が重要なカギを握る日本企業こそ、日本発のサービスであるTrade Compassをベースに“情報”を戦略的に活用すべきだろう。

 もっとも、Trade Compassを導入すれば、それだけで国際通商業務のすべての課題が解決されるわけではない。「関税率など定量的(数値的)な情報の検索には対応できていましたが、定性的な情報の理解には相応の知識が必要でした」と語るのは、同社 執行役員の羽生田慶介氏である。

 先に述べたように各FTAでは数千ページにわたる協定文書が作成されるが、実はそのうち関税率について記述されているのは半分にすぎず、残りの半分を占めているのは輸出入を行う際の手続きや規制、注意事項などのルールだ。加えて、重要なルールは各国・地域の税関当局が発行する通達集などにも分散して書かれている。「これらの文書のすべてを理解し、正しく運用することで、初めて企業はコンプライアンス違反を犯すことなく輸出入を行うことができるのです」と羽生田氏は強調する。

>>

膨大な文書から目的の情報や有益な洞察を引き出す

本記事の続きを無料でご覧いただけます

以下のアンケートにご回答ください。

  • 【情報提供のご希望の方法】

  • IBMおよびIBMの子会社、関連会社は、IBM製品、サービス、オファリングに関する情報をお送りするために提供くださった情報を使用させていただく場合があります。ご希望をお知らせ下さい。

  • Q1. 本製品/サービスについて、あなたの立場をお選びください。(ひとつだけ)※必須

  • Q2. 記事閲覧の目的をお選びください。(ひとつだけ)※必須

  • Q3. 本製品/サービスについて、自社あるいは顧客企業の導入予定時期についてお聞かせください。(ひとつだけ)※必須

  • Q4. 本製品/サービスの提供企業へのご要望、ご質問などがありましたらお聞かせください。


【ご利用に際しての注意】
本コンテンツの2ページ目以降を閲覧いただく方の個人情報(日経BP社に登録されている氏名、メールアドレス、住所、電話番号、勤務先、所属部署、役職などのご回答内容)は、日経BP社が、本コンテンツスポンサーの広告主に第三者提供いたします。

閲覧に際して、以下の事項に同意されたものとします。

・ご登録いただいた個人情報は、情報提供元である「日本アイ・ビー・エム株式会社」に提供されます
・IBMおよびIBMの 子会社、関連会社 は、IBM製品、サービス、オファリングに関する情報をお送りするために提供くださった情報を使用させていただく場合があります。以下の画面にてご希望の方法をお知らせください。
・提供した情報を希望の方法、および IBMのプライバシー取扱基準 で説明されている方法で取扱うことに、同意します。

IBMからの情報受取方法で、e-メールをすでに希望いただいてる方で、今後e-メールでの情報提供の中止を希望の方は、 http://ibm.com/jp/account/ibmdm/ で承ります。

その他、下記「個人情報取得に関するご説明」をよくお読みいただき、同意の上、ご利用ください。

閲覧する