大企業で導入が進まない電子申告

新たに創設された「大法人の電子申告義務化(以下、電子申告義務化)」が対象とするのは、内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人、相互会社、投資法人及び特定目的会社である。対象となる手続きは、確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書および還付申告書(以下、これらを総称して申告書)である。これにより、該当企業は基本的に電子申告でなければ申告書を提出できなくなった。

しかしながら、国税庁によれば、2017年に大規模法人(国税局所管法人)3万社のうち、電子申告の利用率は56.9%にとどまっている。約半数の企業が未対応だというのだ。

なぜ大企業の電子申告は進まないのだろうか。

電子申告を実施するためには、単にシステムを導入するだけでは済まず、社内全体の業務プロセスから見直す必要がある。その検討には時間も人材も必要で、策定後の全社展開も企業規模が大きくなればなるほど困難になる。もちろん、ハード/ソフト両面のシステム導入費用もかかるため、なかなか踏み切れないのが現状のようだ。

しかし、一旦電子申告の仕組みを整えてしまえば、その効果は絶大で、大幅な効率化が見込める。電子申告では、一部の書類の省略、財務諸表やデータ量の多い勘定科目内訳明細書のCSV形式での提出が可能になるなど、事務作業の効率化とペーパレス化につながる。また、会計システムなど基幹システム導入の際に、税務システムと会計システムを連携すれば、経理部門の業務も大幅に効率化する。もちろん、税務署に行く必要もない。中小企業では、こういったメリットを感じて導入が進んでいると考えられる。つまり、電子申告義務化の対象外企業でも、取り組むことに大きなメリットが得られる可能性が高い。

次ページでは、さらに電子申告の具体的なメリットについて、紹介しよう。

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