現場と本部のコミュニケーションを変える 「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」
― ではまず「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」について詳しくお聞かせください。
鈴木:例えば、現場にオペレーターしかいない状況で工場のラインに機械トラブルが起きた際、敷地の広い工場では連絡が来てから技術者が駆けつけるのに10分20分かかってしまうケースも多いと思います。その間、ラインがダウンタイムになってしまうのは大きな損失ではないでしょうか。その点、「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」を使えば、Microsoft HoloLens を装着したオペレーターの視点画像を共有しながら、遠隔地から PC やスマートフォンを通して指示を出すことができます。 実際に海外の工場でトラブルが起きた際、日本にいるエンジニアが遠隔サポートすることで問題を解決したという使用事例もあります。海外にエンジニアを派遣したり、常駐させるコストを考えると画期的なソリューションと言えるかと思います。製造業を例にお話ししましたが、建築不動産業界や医療分野をはじめ、現場と本部間のコミュニケーションが必要とされる、あらゆるビジネスで活用できる汎用性が「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」にはあります。
現場の作業者は Microsoft HoloLens を装着し、両手が使える状態でいつも通りの作業ができる。作業者の視界には本部からの指示が 3D 空間上に共有される。遠隔地にある本部などから、現場作業者の視界を共有し、その視界の中に直接さまざまな指示を書き込むことができる。もちろん映像と音声によるコミュニケーションも同時に可能だ。
― リアルタイムの情報共有という面では経営判断にも役立ちそうですね。
鈴木:Microsoft HoloLens を装着して仕事している人の動きのデータをリアルタイムに取得できますので、経営側や管理側から見ると建築現場や工場等で行われている作業の進捗を把握するツールにもなります。PC やタブレットを持ち込みにくい現場の状況がタイムリーに分かることで、さらなる生産性の向上や作業の可視化、さらには事故などのリスクの回避にも役立つでしょう。 また、IT資産の有効活用という面では、Microsoft 365 との連携があります。「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」は、Microsoft 365 の標準ツールである Microsoft Teams 上で動かすアプリケーションなので、利用に際し特別な研修も必要ありません。また、いつもの自分の Microsoft アカウントで利用できるのもメリットです。
「 Microsoft Dynamics 365 Remote Assist 」紹介動画
等身大の目線で空間配置をシミュレーションできる 「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」
― もう1つのアプリケーション「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」はどのような活用シーンを想定されますか。
鈴木:Microsoft HoloLens を装着することで、現実空間にバーチャルの 3D データを配置し、空間配置をシミュレーションできるのが「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」です。最近では VR を使った空間配置シミュレーションソフトも出てきていますが、ゴーグルで視界を覆ってしまうため歩き回ることができず、大きさや距離の概念がつかみにくいというデメリットがありました。 その点、「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」は Microsoft HoloLens の高度なセンサーを活用して、現実空間の中を自在に歩き回りながら、配置シミュレーションや、動線の検証をすることができます。例えば、機器を配置した空間を人が通れるか、通れないか等は簡単に分かります。建築現場で機材を配置する際に「職人の作業動線がどうなるのか」、「作業姿勢は体に負担がかからないか」といったことを等身大の空間レイアウトの中で確認することができるのです。また現場では作業効率に加えて、作業する人の安全確保も重要になるかと思いますが、筆記アンケート等による主観的なフィードバックではなく、実際の人の動きや姿勢を数値データとして蓄積できるため、継続的なモニタリングを通して改善していく活用法も想定しています。
「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」では、事前に設備配置のデータを作成し、クラウドに保存しておくことが可能。また、間取りのデータがない場合でも、現場で直接 Microsoft HoloLens によるスキャニングもできる。Microsoft HoloLens 装着者の視界には、部屋の左奥に設備機器の 3D モデルが見えている。3D モデルの移動はもちろん、拡大縮小も指先のジェスチャーで可能だ。仮想的に配置した設備機器に歩み寄って、操作盤の高さを検証している鈴木氏。「 Microsoft Dynamics 365 Layout 」紹介動画