席順だけで仕事効率アップ!誰も知らなかった座席作戦

座席不足の課題を解決し“戦略的席替え”を実現!

「フリーアドレス管理ツール(仮称)」の劇的効果

開発のきっかけは座席不足の解決、「ルール」だけではムリ

企業の成長に伴い、オフィススペースと人員の問題に悩む企業は多い。労働力減少の中、有効な人財を確保したいがスペース不足で採用に躊躇してしまう、ビジネスのアジリティを高めるために組織変更を試みたいが座席が足りない――。「我々自身も、移転、増床してもすぐに席が不足し、常に悩んでいました」とパーソルプロセス&テクノロジー株式会社 システムソリューション事業部 ゼネラルマネジャーの小浦 文勝氏は話す。
PERSOL(パーソル)は人材派遣や人材紹介、求人広告など国内外80社を超えるグループ会社をもつ総合人材サービス企業である。「はたらいて、笑おう。」というプロモーションを目にしたことがある人は多いだろう。パーソルプロセス&テクノロジーは同グループでSI、アウトソーシング、コンサルティングを展開する事業会社であり、小浦氏の所属は企業のデジタルトランスフォーメーションとモダンワークプレイス(新しい働き方を実現するオフィススペース)を支援する、さまざまなシステムを開発、提供する部門だ。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
システムソリューション事業部
テクノロジーソリューション統括部
デジタルトランスフォーメーション部 ゼネラルマネジャー
小浦 文勝 氏

開発のきっかけを、小浦氏は次のように語る。「企業とオフィスの統合や移転があり、新卒や中途採用でどんどん人員が増える中で、テレワーク、在宅勤務も早くから実施していましたが、それでも席が足りない。それならフリーアドレス化しよう、という声が上がり、どうせやるなら社内を活性化する取り組みに、という思いで実施しました。しかし、全然フリーアドレスにならない、やっても席が空かない、という現実にぶち当たったのです。人には縄張り(テリトリー)意識というものがあり、結局、毎日同じ席に座るんですね。明日の席を確保するために私物を置いて帰る、在宅や営業まわりで席が空いているのに他の人が座れない。するとフリーの打ち合わせスペースや会議室を占有する人が出てきたりして、社内のあちこちで席の”難民”が発生してしまうのです。フリーアドレスをルールだけで実施しようとして形骸化、失敗する多くの企業はこのパターンじゃないか、と実感しました」

小浦氏はここで一つの結論に至る。「人に座席を選ばせるからダメだ。座席をシャッフルするシステムが必要だ」

さっそく社内の開発チームで取り掛かり、わずか1カ月でプロトタイプを完成させる。それが、“戦略的席替え”を実現するシステムとなる、パーソルプロセス&テクノロジー独自開発の「フリーアドレス管理ツール(仮称)」だ。同社では自部門で運用しながら、社員の声を聞き、機能拡張とブラッシュアップを繰り返した。

“戦略的席替え”を実現する「フリーアドレス管理ツール」導入効果

社員が毎日使うものだけに、基本機能はシンプルを心掛けた。全座席に ID を振って管理。その上で毎日、夜間に前日の座席がクリアされる。社員はスマートフォンで出社前に「出社」ボタンを押すだけで、当日の座席がシャッフルされて自動で割り当てられる。
その効果は明確で、同社の場合120名の社員に対して104しかない座席が、毎日確実に10席は空くようになった。「外出」や「在宅」「休暇」の社員の席が確実に空くことに加え、「私物で占有されていた席」がなくなったからだった。さらには、毎日確実に席替えされることで自然に机周りが整理整頓され、不要な私物が断捨離される、という環境美化効果も得られた。
管理面では、異動や組織変更のたびに行っていた座席表や内線表の更新作業、社員総出で行っていた座席の引っ越し自体が不要になるというコスト削減効果が得られた。

「フリーアドレス管理ツール」の基本画面。「出社ボタン」を押せばその日の自席が決定する。ツールはスマホでも利用可能だ。
タッチパネル搭載の大型モニターで利用することも可能。朝、出社して自分の席を確認したり、別部門のメンバーがユーザーを検索したりできる。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
システムソリューション事業部
テクノロジーソリューション統括部
デジタルトランスフォーメーション部
高谷 誉 氏

「フリーアドレス管理ツール」の特長は、“本当に使えるものにしたい”という思いから、現場の声を取り入れたさまざまな機能が実装されている点だ。
業務により固定を希望する社員のために、「席自体を固定」「ペアで固定(トレーナーと新入社員など)」「ゾーン固定(プロジェクトメンバー単位など)」が選択可能。また、当日どうしても席を代わりたいユーザーの救済機能として、出社後、一定時間以降に利用できる「席替え機能」もある。
毎日座席が変わるため、画面右には「出社」「外出」「在宅」「休暇」のプレゼンスが一覧で表示されるほか、社員検索機能で連絡を取りたい人をすぐに探せる。そして、座席上の名前をクリックすると、社員のその日の予定が表示される。これらは、電話の取次ぎを行う社員のリクエストから生まれたものだ。
実際の開発を手掛けた高谷誉氏は開発時の工夫と、ユーザーとしての利便性追求を次のように語る。「100名以上の社員に実際に使ってもらい、さまざまな意見、改善要望を反映させ、週単位でブラッシュアップを重ねました。私自身、新卒入社なので周囲は知らない先輩方だらけだったのですが、このツールのおかげで全員のプレゼンスが一目でわかり、電話の取次ぎも全く問題なく行えました。それと、隣の方のスケジュールから業務内容を読み取れることで、それをきっかけに話しかけたり、仕事に関する相談がしやすくなりました」

座席上の名前をクリックすると、その社員の予定が表示される。電話の取次ぎなどの際に非常に便利だ。

毎日違う人と隣り合うことで、新たなコミュニケーションが生まれていく。特に新入社員にとっては、様々な部署の業務や隣席の社員のミッションなどを知ることができる非常に有益なツールとなっている。労働人口減少に伴う人材の流動化が加速する中、こういった日々の社内コミュニケ―ションの活性化は、社内で部署を超えたイノベーションを起こすために、今まさに求められている取り組みといえる。

Microsoft 365 と連携しユーザー管理も容易

「フリーアドレス管理ツール」の社員ユーザー管理には Microsoft Office 365、Active Directory が利用でき、その日の予定はOutlookが連携しており二重入力の必要がない、といった点も、導入と利用しやすさを加速する。クラウドサービスである Microsoft Azure 上で提供されるため、既存の業務システムに手を加える必要もない。
現在、数社から導入リクエストがあり、要件を固めている段階とのこと。「フリーアドレス管理ツール」は基本機能をパッケージサービスとして提供するものの、同社の特性を生かし、導入先企業の業態、人事の仕組み、目的に応じたカスタマイズ開発にも対応する。
最後に小浦氏は「お客様企業の目的に応じて、さまざまなカスタマイズと導入コンサルテーションも提供していく予定です。在宅勤務、フリーアドレスなどの仕組みをルールだけで運用すると限界があり、失敗するケースも多いのが現状です。やってみて失敗して、そのリカバリに無駄な社員の工数をかける前に、このツールを活用いただき、これを土台にルールを整備されることをお勧めします」と話してくれた。
座席不足の課題のみならず、社内のコミュニケーションを活性化し、イノベーション風土を整備したい企業は、同社に相談してみてはいかがだろうか。

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