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日本・インドネシア国交60周年

使い勝手が一層向上

インドネシアで外国企業誘致の中心になっている工業団地の使い勝手が急速に改善している。最大の問題だったアクセス遅延解消に向けジャワ島に巨大新港の建設が進むなど外部環境の改善が進む一方、工業団地自体が生活の利便性も含めた事業環境の改善に一層力を入れ始めている。

外部環境の改善で特筆されるのは新輸出拠点となるパティンバン港(西ジャワ州)の建設である。日本政府が1200億円近い円借款を供与、一部は2079年に運用を開始する。従来のジャカルタ周辺の工業団地からの輸出窓口は市内のタンジュンプリオク港からだけ。工業団地からの輸送は量の拡大と交通渋滞が重なって「マヒ状態」が続いていた。

新港は、工業団地から見れば西側のタンジュンプリオク港に対して東側に位置し、しかも交通渋滞も少ない静かな農村地帯の海岸沿い。

日本企業にとっての吉報は、このエ業団地街道沿いにある輸出港の出現で現在ある工業団地の戦略的価値が大きく向上、外国への輸出拠点として新たな業務も可能となることだ。このような情勢を踏まえて、新輸出港周辺にも本格的な工業団地建設を検討する動きがすでに始まっている。

また現在の工業団地のさらに東側に開港したクルタジャティ国際空港の存在もジャカルタ東部の工業団地には朗報だろう。ジャカルタの西郊外にあるスカルノ・ハッタ国際空港からジャカルタの東にある工業団地群は早くても車で3、4時間はかかる(日中)。現在、新空港はインドネシアのローカル空港を結ぶ国内線の運航だけだが、国際線が就航すれば周辺工業団地へのアプローチローチチが飛躍的に向上、入居企業にとっても進出拠点の戦略的価値が大いに高まることが予想される。

ジヤカルタ首都圏工業団地マップ JETROジャカルタ事務所資料を元に一部加工
JETROジャカルタ事務所資料を元に一部加工
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ソフト面の充実によりサポートサービス向上へ

ソフト面でいえば、工業団地内に日本人学校を新規開設する動きが出てきたことに注目したい。この点はジャカル夕首都圏に住む日本人駐在員家庭にとって極めて大きな意味がある。従来、日本人駐在員の勤務地や住居の中心はジャカルタ都市部。小中学校も自動車送迎などで適える範囲だった。しかし、都心から離れた工業団地が増え、交通渋滞も加わって通勤も通学もままならないといった悲劇が、工業団地内日本人学校の開設で大きく解消される。周辺にある多くの工業団地に入居する日系企業やその近辺に住む駐在員にとって、大きな朗報だろう。

このように魅力が高まり始めたジャカルタ東部の工業団地では企業へのサポートサービス向上と環境整備にカを入れている。かつてインドネシアでは売りにできた電気、ガス、水道など基本的インフラの整備は当たり前。レストランやクリニックといった複合商業施設の整備をはじめ、各工業団地は入居企業のニーズに柔軟に対応すべく様々な売りものを繰り出している。

なかでも現地資本系が運営するエ業団地はサービス多角化の先駆的存在となっている。例えばスルヤチプタ工業団地はホテルや商業施設はもちろんのこと、「ジャパン・デスク」を設置し、進出企業のサポート体制を整え、いまや入居の約5割を日系企業が占める。緑をふんだんに取り入れた周辺環境の中に廃水処理設備や光適信の最先端システムを導入するなど、入居企業がイメージする先端型経営の理想実現をサポートするところまで目配りを強めている。このほか、エンジニア養成学校の開設や社会行事への寄付といった周辺地域社会に対する貢献活動に配慮した取り組みを推進している工業団地も増えている。

長期国家戦略「VISION2045」と運動した環境メリット向上

これまでインドネシアはインフラ整備が経済成長に追い付かず、工業団地を取り巻く諸要素も外資の期待に応えきれていない面があった。ここへきて政府は「VISION2045」構想のもと、国家全体の成長を念頭に置いたインフラ整備に本気で取り組み始めている。最近のアジア競技大会開催をテコにした道路交適網改善はかつてに比べ明らかにきめ細かさやスピード感があった。世界上位の経済大国へ成長する夢の長期戦略を見据えて、工業団地の環境メリットを高めようとする動きが運営・企画面にも表れてきたことは確かである。