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優秀な人材を確保するServiceNowの人事サービスデリバリ

優秀な人材を確保するServiceNowの人事サービスデリバリ

人事サービスのオートメーション化で
戦略的業務の割合を高める

 従業員からの問い合わせに迅速かつ的確に対応する仕組み、つまり人事サービスのオートメーション化を実現するのが、ServiceNowが提供する「人事サービスデリバリ」と呼ばれるソリューションである。

 ServiceNowは、「サービスデスク」というITサービスマネジメント(ITSM)のSaaS(クラウドによるソフトウェアサービス)ベンダーとして世界的に知られているが、実はこのほかにも、セキュリティやカスタマーサービス、業務アプリ開発など、さまざまなSaaSソリューションを提供している。「人事サービスデリバリ」はそのひとつだ。

 「そもそも当社は、クラウド上で業務アプリを素早く開発・リリースできるプラットフォームの会社として産声を上げました。その後、そのプラットフォーム上でのベストプラクティスを、われわれ自身がパッケージ化して順次SaaSソリューションとしてご提供するに至りました。創業当時から変わらず目指しているのは、企業の中で部門ごと、システムごとにサイロ(縦割り)化しているデータを統合し、利用者がひとつの画面から簡単にあらゆるデータを呼び出せる、あらゆる処理を起動できるプラットフォームを提供することです」

 木下氏によると、これまでの企業のシステムでは、利用者(社員)が各部門やシステムごとのデータを利用したいときには、パソコンでそれぞれの画面を開いて確認・処理しなければならなかったと言う。それがひとつの画面で確認・処理できるようになれば、社員の生産性は格段に向上する。

 「“ServiceNowプラットフォーム”は、高いユーザーエクスペリエンスを実現するSaaSアプリが開発できるように設計されています。利用者が使い方に迷ったり、間違えたりすることなく、感覚的かつスピーディに処理できるのも大きな特徴です」

 ServiceNowは、この“ServiceNowプラットフォーム”だけでなく、それを基盤として動くさまざまなSaaSアプリを企業に提供している。「ITSMはあくまでもサービスメニューのひとつにすぎません。あらゆる業務のデータが相互に活用できる基盤を生かしながら、業務ごとのニーズにかなったアプリを開発しています。なかでも人事サービス業務には、他部門との緊密な情報連携が求められています。当社が『人事サービスデリバリ』をリリースしたのは、そのニーズに応えるためです」と木下氏は語る。

あらゆる部門のデータを統合
ワンポータルでサービスを提供する

 実際、人事サービス業務は、さまざまな部門との連携が不可欠だ。

 「例えば新入社員の入社手続きにおいては、人事部門が人材のプロファイルを登録するだけでなく、貸与するパソコンやタブレット端末などの手配をIT部門に、IDカードの発行やアクセス権限の設定などをセキュリティ部門に、給与振込口座の登録を経理部門に依頼する必要があります。入社前に社員とNDA(秘密保持契約)を結ぶためには、総務部門との連携も欠かせません」

 これらの業務をこなすだけでも、人事担当者は相当な時間を取られてしまう。かといって、採用する人材にこれらの作業を自分で行わせようとすると、それぞれの部門に連絡を取らなければならないので面倒がられやすい。

 しかも旧来の人事サービスでは、従業員による問い合わせやリクエストは、メールやスプレッドシート、メッセンジャー、電話などによってやり取りするので、さまざまな処理の確認が錯綜し、ナレッジが共有しにくくなるという問題点もある。

旧来型人事プロセスの課題
旧来型の人事サービスは、従業員と各部門がメールやスプレッドシート、メッセンジャー、電話などを使って問い合わせやリクエストをやり取りするため、さまざまな処理や確認が錯綜し、ナレッジが共有しにくい状況になっている。

 ServiceNowの「人事サービスデリバリ」は、そうした課題を抜本的に解決し、人事担当者と従業員の双方にメリットをもたらす革新的なソリューションである。

 「人事サービスデリバリ」では、“ServiceNow プラットフォーム”を介して、部門ごとやシステムごとのデータを共有・活用できる。新入社員の入社手続きを例に取れば、ひとつの窓口(ポータル)で、パソコンの貸与やIDカード発行、給与振込口座の登録、NDAの締結といった手続きがすべて行えるのだ。しかも、手続きによって部門ごとのシステムに登録されたデータは、ひとつのポータルで確認できる。部門をまたぐ手続きでも処理状況がひと目で把握できて、ナレッジも共有しやすい。

既存のHCMやTMをより使いやすくする
コンシューマライズされた操作性

 そのうえ「人事サービスデリバリ」は、コンシューマライズされたユーザーインターフェースを採用しているので、人事担当者の手を煩わせることなく、新入社員が自分で簡単に手続きできる。

 「結果、人事担当者は戦略的な人事業務に多くの時間を割けるようになります。また、問い合わせへの対応が迅速かつ確実になれば、主業務以外に費やされる手間と時間が減り、働きやすさを実感しやすくなるはずです」

 さまざまな部門のデータを統合して人事サービスを効率化するシステムとしては、HCM(人材資産管理)システムやTM(タレントマネジメント)システムなどがあるが、「『人事サービスデリバリ』は、既存の人事系システムと競合するものではなく、それらをより効率よく活用し、人事の生産性を上げるためのソリューションです」と木下氏は説明する。

 実際、すでにHCMなどを導入済みの企業が「人事サービスデリバリ」を採用するケースは増えており、両方同時に導入する企業も多いと言う。

 「部門をまたぐ情報共有はHCMなどでも実現できますが、業務の生産性を上げるためには“使いやすさ”が重要です。旧来型のERP(基幹業務システム)のような煩雑な操作を必要とせず、コンシューマ向けのスマートフォンアプリのように簡単に使える点が高く評価されているようです」

 HCMやTMには、部門をまたぐ情報共有はできても、従業員による問い合わせやリクエストへの対応といったサービス業務には最適化されていないものもある。「人事サービスデリバリ」と組み合わせれば、そうした点が補完できるのも大きなメリットだ。

 また、基盤である“ServiceNow プラットフォーム”には、AI(人工知能)によってサービス提供者や利用者の作業負担を減らす仕組みが取り入れられている。これによって人事担当者と従業員の負担はさらに軽減され、生産性はますます高まるという。

ServiceNowプラットフォーム
ServiceNowの「人事サービスデリバリ」は、従業員と各種人事関連システムのインターフェースとして、従業員に対する窓口の一本化や、サービス向上を実現するソリューションである。錯綜していた処理がスムーズになり、人事業務の生産性と従業員満足度が高まる。
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