日経ビジネスONLINE SPECIAL

MARKETING FRONT LINE マーケティング最前線 集客からブランディングまで

ショートフィルムを活用して
顧客とのエンゲージメントを高める

SNS時代、企業が消費者に対するアプローチ方法に苦慮する中、ユーザーとのコミュニケーション手段として注目を集めているのがショートフィルムだ。映像の力で「顧客の心を動かす」マーケティングの効果に迫った。

取材/日経BP総研 マーケティング戦略ラボ 上席研究員 品田英雄

「10分、15分という短い上映時間で人の心を動かすことができる」

10月にショートフィルムの上映イベント「小田急ショートショートシアター」を開催した小田急百貨店新宿店の吉永明洋・販売促進部販売 促進担当マネジャーは、ショートフィルムの魅力についてこう話す。同イベントは2017年に新宿店開店55周年の特別企画として行われ、約1万人が来場。その好評ぶりを受け、2回目が開催された。

メインターゲットは店舗周辺で働く“新宿西口ワーカー”。直帰率が高いといわれる彼らを取り込むことが、かねてからの課題となっていた。同店の吉野雅美・販売促進部販売促進担当統括マネジャーは「仕事帰りにカフェでリフレッシュするように、“サードプレイス”として立ち寄ってもらう。そんな心の切り替えツールとしてショートフィルムに着目した」と言う。

人物写真
小田急百貨店 新宿店
販売促進部 販売促進担当
マネジャー
吉永明洋

ショートフィルムとは

上映時間が短いものは1分、長いものでも30分程度の映像作品。ドラマ、アニメーション、ドキュメンタリーなど多彩なジャンルがあり、短い尺だからこそできる斬新な映像表現や、ウィットに富んだ物語が特徴。近年はインターネットやスマートフォンの発展により、時間や場所を選ばず手軽に楽しめる映像コンテンツとして人気が高まっている。

客層に合わせて時間帯ごとに上映作品を変え、夕方以降はワーカー向けの作品を選んだ。その結果、仕事帰りの時間帯となる18時以降を中心に毎回行列ができ、アンケートでもワーカー層から高評価を獲得、SNSでも拡散した。

イベント初開催の2017年は、前年同時期比で全館の来場者数が11%増。今年はイベントの来場者数が増えたこともあり、イベント開催前の2016年と比べ全館で約18%も来場者が伸びている。吉永氏は「ショートフィルムは集客に有効。今後は小田急グループで連携し、店舗だけでなく街にも波及できる取り組みができれば」と抱負を語った。

小田急ショートショートシアター
10月31日から11月5日にかけて開催された「小田急ショートショートシアター」の様子。催物場を映画館に見立て、非日常空間を演出。会場でアルコールを販売するなど、気軽に立ち寄って楽しめるようにした。毎回行列ができる盛況ぶりで、普段百貨店に来ない客層の取り込みにも成功した。

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様々なシーンで活用拡大

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