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サイバーの脅威と戦う人材の育成

サイバーの脅威と戦うセキュリティ人材の育成「隠れたセキュリティ人材を可視化」
奥原 雅之 氏
富士通
サイバーセキュリティ事業戦略本部
サイバーディフェンスセンター
センター長

奥原 雅之

 サイバーセキュリティの脅威は量・質ともに増大しており、この脅威に対抗できるセキュリティ技術者の確保が社会的課題となっている。だが、セキュリティ技術者は本当に不足しているのか。仮に「どんな攻撃を受けても撃退してくれるスーパーエンジニアが欲しい」と要望したところで、そんな人材を獲得したり、育成したりするのは土台無理な相談だ。富士通の奥原氏は、「具体的な技術者の人材像、求められる役割やスキルを明確にしないと、そもそも『足りているかどうか』の議論が成立しない」と提起した。

 実際、ICTのどの分野でも、上級の技術者は当然のこととしてセキュリティに関する技術を熟知している。これらの大多数のエンジニアは、ただ単に「セキュリティ技術者」としてカウントされていないだけだ。「まず着手するべきは、すでにセキュリティに関するスキルを持っているエンジニアを可視化すること」と奥原氏は説いた。

 富士通グループ自身も「セキュリティマイスター」と呼ぶ社内認定制度を立ち上げ、現場ニーズに基づくセキュリティ技術者の人材像を定義。これまでに業界最高レベルの技術を持つハイマスター等の人材を、3765人認定しており、2021年度までに1万1000人の認定を目指している。また、独自に開発したサイバーレンジ「CYBERIUM」を活用した教育訓練を行うなど、セキュリティ人材の可視化と育成に取り組んでいる。