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70以上の健保組合や自治体が導入

日本企業の健康経営への関心は確実に高まっている。健康推進のリーダーに最高経営責任者が就くことも珍しくない。実際に健康経営の効果は大きく、健康保険組合の医療費負担を抑えるだけでなく、企業の利益に直結するという認識も広がっている。こうした中で多くの企業や健康保険組合が導入しているのが、メドケア株式会社(以下、メドケア)が提供する健康経営推進サービス「MEDICALLY(メディカリー)」だ。

効率的でコストが安く予防につながるサービス

 少子高齢化社会が進む日本の企業では、社会保障費、特に医療費の負担が大きな社会問題となっている。その解決策として注目されているのが、治療から予防へのシフトである。政府が国策として取り組む中で、企業や個人でも予防に対する意識は高まりつつある。メドケアのCOO(最高執行責任者)である木村芳朗氏は「大切なのは合理的な医療を実現することです。そのカギは、効率とコストと予防にあります」と語る。

メドケア株式会社
COO

木村芳朗氏

 2015年4月に設立された同社の使命は、ITやAI(人工知能)を活用して合理的な医療の実現をサポートすることだ。同社の代表取締役社長の明石英之氏は現役の医師であり、当初から「医療×IT」で新たな価値を提供するために誕生した企業である。

 同社が提供している健康経営推進サービスが「MEDICALLY」で、その強みは健康維持、セルフケア、保健指導、医療などの各ステージに対応した予防、治療サービスを一貫して提供していることだ。対象者の状況に合わせて最適なサービスを提供できるため、高い効果が期待できる。それが財政難に苦しむ健康保険組合から支持されている理由でもある。

 「拠出金と医療給付金が増える中で、多くの健康保険組合は赤字に陥っています。そこから脱却するには予防医療へのシフトが必要です。しかし、その原資となる保健事業費は少なく、しかも効果がなければ意味がありません。そこで望まれているのは、効率的で、コストが安く、予防につながるサービスです」と木村氏。その想いから開発されたのが同社のMEDICALLYだ。

健康経営を推進する環境づくりもサポート

 現在、MEDICALLYが注力している分野は、特定保健指導と重症化予防、そして禁煙外来の3つだ。全てに共通するポイントは、スマートフォン(スマホ)で完結(※)していること、平日の夜や土日も対応していること、そして医師監修の指導プログラムが提供されていることだ。テレビ電話でいつでもどこでも従来の対面指導のような指導が受けられ、日々の体重や腹囲、歩数といった健康関連データも専用アプリで簡単に管理できる。

スマートフォンやタブレットで、いつでもどこでも従来の対面指導のような指導が受けられる

 特定保健指導のスタートは、テレビ電話での対面指導から始まる。スマホに専用アプリをダウンロードしてテレビ電話を予約する。管理栄養士から現在の状況についてヒアリングがあり、3カ月間の具体的な目標を一緒に決めていく。その後は定期的にチャットやテレビ電話で管理栄養士からアドバイスを受け、3カ月後に血液検査を行って最終的な報告とアドバイスがある。

 禁煙外来も基本的には同じ流れだ。全てオンラインで医師が禁煙をサポートしていく。期間中は禁煙補助薬であるチャンピックスが処方され、いつでもどこでもチャットで医師に相談できる。禁煙成功後も6カ月間のフォローアッププログラムが提供される。

 いずれのプログラムでも専門家によるアドバイスをいつでも受けることができ、医療機関と連携していることで、血液検査や薬の処方までできることが大きなメリットだ。「オンラインのみで完結(※)するので、日中時間がとれない現役世代でも気軽に始められて続けることができます」と木村氏はその使いやすさを強調する。健康経営を考える企業にとっては、従業員への強力な応援メッセージになりそうだ。

 サービス導入の効果を上げるための環境づくりのサポートを行っていることも、多くの健康保険組合にサービスを提供している同社ならではの特長だろう。「アプリのダウンロードを促すチラシの作成や電話によるプッシュも代行しています。また、人事部へ働きかけて健康保険組合と連名で通知を出すといった、効果アップのためのノウハウも提供しています」(木村氏)。

アプリのダウンロードを促すチラシの作成など、サービス導入の効果を上げるための環境づくりもサポートしている

 システム面のレベルの高さも同社のサービスの特長だ。MEDICALLYのアプリは全て自社開発し、セキュリティーを管理するための仕組みであるISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)のほか、クラウドに特化したISMSクラウドセキュリティ認証も取得している。健康関連データを扱うだけに、セキュリティー面でも安心できるサービスでなければ、企業としては導入できない。

 木村氏は「医療機関と連携してサービスを提供しているために、医療機関に求められるものと同レベルの高いセキュリティーを確保しなければなりません。それを実現するために自社開発にこだわり、多くの特許も取得しています」とそのレベルの高さを強調する。

 さらにサービス強化のために、AIやビッグデータといった先進技術を取り入れることにも積極的だ。対象者を支援する活動のバックグラウンドではAIが駆使されている。「データはオンラインでやりとりされ全て蓄積されています。そのビッグデータを分析することで、継続的にサービスレベルを高めていくことができます」と木村氏は語る。

「ビッグデータを分析することで、継続的にサービスレベルを高めていくことができます」

多くの実績が証明するサービス品質の高さ

 現在、MEDICALLYを導入している健康保険組合や地方自治体は70以上に上り、その数は急速に増えつつある。すでに活用している企業の健康保険組合や団体には、大和証券、ジェーシービー、商船三井、川崎汽船、住友不動産販売、中野区など、大手企業や先進的な自治体の名前が並ぶ。支持を得ている背景にあるのは、その実績の高さだ。

 2018年度の実績では、特定保健指導の完了率は96.6%と驚異的な数字を誇る。体重や腹囲の数値も減り、血液検査の結果では完了者のうち65.6%の人に中性脂肪の改善効果がみられ、また70.0%の人にHDLコレステロール改善効果がみられた。この数字がMEDICALLYのアプローチの正しさと、サービス品質の高さを証明しているといえるのではないだろうか。

 導入した健康保険組合にとってもMEDICALLYは大きなメリットをもたらしている。対象者の活動報告は全てレポート形式で届けられる。「MEDICALLYの導入により、手間をかけずに従業員の健康状態がわかり、次の一手が考えられる余裕が生まれました」「企業と健保組合が協力して効率的かつ効果的な健康増進を図る『コラボヘルス』や、データを活用して健康増進を図る『データヘルス』を推進するきっかけになりました」といったユーザーの声も届いているという。

 さらに、厚生労働省の公募事業「ICT禁煙支援コンソーシアム」の主たる事業者として、メドケアの「MEDICALLY遠隔禁煙外来プログラム」が提供されている。これは、ディスコ健康保険組合(主幹組合)、日産自動車健康保険組合(副主幹組合)、内田洋行健康保険組合など業種・規模の異なる19の健康保険組合(総加入者数約50万6000人)で結成された禁煙コンソーシアム(共同事業体)が喫煙率の減少という共通目標の実現に向け、ICTを活用した禁煙支援プログラムを共同で実施するもの。すでに300人を対象に実証実験を行い、禁煙治療にどうICTを活用していくかが検討されている。

 同社は予期医療のための健康予測とリスクスコアリングも手がけ、今後、ウエアラブルデバイスの活用や自動解析モニタリングシステム、データ解析を組み込んだ臨床研究なども手がけていくという。MEDICALLYには、これからのデジタルヘルスのプラットフォームとして成長することが期待されているのである。

(※)診療行為が含まれる場合は提携医療機関が厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って提供しています。
・オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成30年3月、厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000201789.pdf
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