部分最適の思考ではSNSの価値を見誤る

「(SNS上で)キャンペーンをやって『フォロワーが増えた』『インプレッションが伸びた』という話は聞きますが、SNSのユーザー数が伸びている一方で、それが『売上にどれだけ直結しているのか』や『どれだけのブランドリフトが起きているのか』ということを説明している企業は少ない――」

株式会社ホットリンク
執行役員 CMO 飯髙悠太氏

2019年7月24日(水)、東京都港区の「赤坂インターシティコンファレンス」で開催された「日経クロストレンド FORUM 2019」の壇上から、株式会社ホットリンクのCMOを務める飯髙悠太氏は、満場の来場者を前にそう語り、数多くの企業で、SNSマーケティングが売上に結びついていないという現状を説明し始めた。

飯髙氏曰く、企業のSNS活用がうまくいかないのは「プラットフォームが多様化している中で、ユーザーは様々なチャネルを行き来しながら商品を認知しているにもかかわらず、SEOであればSEO経由のコンバージョン、リスティング広告ならリスティング広告のコンバージョンというように、各チャネルの最終的なコンバージョンだけで施策の評価が行われていること」に起因しているという。

SNS経由の商品認知は、直接コンバージョンにはつながらないものの、ユーザーにとって信頼性の高い知人などの口コミ情報を介すため、質の高いアテンション獲得に貢献するのは言うまでもない。しかし、現在、多くの企業が行っているチャネル別の成果貢献の評価では、SNSの効果をきちんと把握できず、戦略を見誤りかねないという。つまり、必要なのは消費者の一連の購買行動を見据えた全体最適なのに、現状では、部分最適で施策を回してしまっている企業がほとんどなのである(図1参照)。

図1:なぜ、多くの企業が苦労し失敗しているのか

その他にも企業のSNS活用がうまくいかない要因として「SNSアカウント運用がゴールになっていること」「SNSを企業の情報発信媒体としか捉えていないこと」「自社の特性にあったSNS活用戦略を選べていない」ことが挙げられるが、ここまで利用者が増え、ユーザーの意思決定に対して大きな影響を持つSNSだからこそ、正しい方法でマーケティングに活用すれば、大きな成果が見込めるという。そこで、本稿では、飯髙氏の講演内容を紹介することで、その方法を考察していく。

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