プレイド代表取締役CEO 倉橋健太氏特別インタビュー

日経クロストレンド発行人・杉本が訊く なぜ今、CX(顧客体験)向上が経営課題とされているのか?

写真:プレイド代表取締役 倉橋健太氏

提供すべきCXと「次の最適な一手」までクリアになる「KARTE」

プレイドは、CXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」を2015年にリリース。顧客データの収集・管理、外部データとの統合、データ分析結果に応じた適切な施策とコミュニケーションがワンストップで行えるのが大きな特徴だ。顧客が「一人ひとりの人として見える」仕組みを目指しており、今この瞬間のユーザーの悩みやニーズを明らかにし、適切なコミュニケーションによってそれらに応えることができる。

図:「データ収集」Web/App、実店舗、外部データベース → 「データ統合・分析」CX Platform、KARTE、2nd/3rd party・デモグラフィック、企業情報、天候情報 → 「チャネル配信/施策」Web/App内最適化、コミュニケーション、外部データベース

顧客を見る「目」となり、見たものを生かして次の施策を打つ「手」にもなる。しかもどんな人でも扱えるという点が「KARTE」が支持を得ている理由でもある。

杉本:「KARTE」の導入企業や、導入を検討している企業からは、どんなことを期待されていますか。

倉橋氏:リリース当初から最も多かったのは、「従来のプラットフォームやツールでは、人が見えない」という声でした。とくにインターネット特化型のサービスを提供する企業の場合、直接的な顧客接点がなく、顧客の顔が見えにくいので、ともすれば「数字がすべて」になりがちです。私たちが提供する「KARTE」は、「数字を構成するのは、じつは『人』なのだ」ということを認識していただくために重要なプロダクトなのではないかと思っています。

ほかのプロダクトと違って、「KARTE」の管理画面を開くと、まずグラフではなく「人」の顔が出てきます。笑っている顔や真顔など、実店舗に来店したお客様を眺めるように、いろいろな表情のアイコンを俯瞰できるわけです。

さらに、1人ひとりのお客様の顔をクリックすると、過去の行動履歴が詳しく表示されます。これを把握することで、笑っている理由(満足)や、真顔の理由(悩み)などを対面接客のように深く読み取れるのです。

もちろん、他社のプロダクトと同じようにレポート画面もあって、定量データを確認することもできます。ただし、表示されるデータはすべて顧客の行動履歴をベースとしており、定量データから1人ひとりの詳細な情報へとドリルダウンすることもできます。

杉本:導入効果については、どのような声が届いていますか。

倉橋氏:とくに多いのは、「人が見えるようになって、適切な提案ができるようになった」という声です。

また、人に対してアクションをすれば、当然リアクションが返ってきます。それが仕事のモチベーションを高め、会社の中でのコミュニケーションが変わってきたという声も届いています。ユーザーの反応を軸に物事を考えるようになり、部門間や働く人同士の目線が合ってきたというのです。

各部門がバラバラのKPIを追っていては、組織間のコミュニケーションは成立しません。「ユーザー」を共通の主語とし、その人を喜ばせることをゴールにすることで、組織内の共通言語が増えていくのではないでしょうか。

企業の中に眠っていた定量的な顧客データと「KARTE」をつなぐことで、「データの活用度が上がった」というご感想もいただいています。既存のデータだけでは見えにくかった「人」の姿や行動の「文脈」の解像度が上がり、その分析に基づいた働き掛けまでワンストップで行ってくれるのがありがたいという感想をよく耳にします。

また「KARTE」は、データ収集・分析の速さや、解析精度の高さといった基本的なパフォーマンスも、他社のプロダクトと比較し圧倒的な強みになっています。一方で、専門のエンジニアを入れなくても、ある程度のことができてしまうほど使いやすい設計になっています。こうしたプロダクトとしての完成度の高さを評価してくださるお客さまも少なくありません。

写真:対談の様子

CXの世界観を多くの人と共創し「ユーザー視点」を企業の中心に

プレイドは2019年11月、Googleからの資金調達を発表した。Google米国本社による国内発スタートアップ企業への出資はわずか2例目と少なく、プレイドの取り組みには海外からも注目が集まっている。そんなプレイドが目指すCXと、企業としてのビジョンとは何か。

杉本:今後については、どのように展望しておられますか。

倉橋氏:日本企業におけるCXの追求や、そのためのデータ活用は、まだマーケティング領域のみに留まっています。本来であれば、マーケティングだけでなく、企画や営業、経営そのものなど、あらゆる部門・機能が「ユーザー視点」で物事を考え、取り組んでいかなければならないのではないでしょうか。

わたしたちは、この「ユーザー視点」という発想を、より多くの企業に広げていきたいと思っています。日本だけでなく、グローバルについても同様です。「データによって『人』を再現し解釈する」という発想を、世界共通のものにしていきたい。そのプラットフォームづくりのために他社との協業やパートナーシップを大切にしながら、わたしたち自身も「KARTE」のブラッシュアップに注力していきます。

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