日経xTREND SPECIAL

「All About」と「LOHACO」はデータをブランドマネジメントにどう生かす?/メディア×ECで広がる消費者理解の可能性 梶井健吉氏×音部大輔氏×橋本智明氏

データを扱える道具はそろった。今マーケターに求められるのは「どのデータを何の観点で分析するのか」「そこから得た示唆をどのように事業成長とブランドマネジメントに生かすのか」のビジョンだろう。ともにトレジャーデータのCDPを導入する「All About」の橋本智明氏、「LOHACO」の梶井健吉氏が、データによる消費者理解について音部大輔氏と話し合った。

All Aboutで意識を、LOHACOで行動を知る
全人格的に人を理解する新たな方法

橋本 氏
株式会社オールアバウト
メディア事業部
マーケティングソリューション部
アカウントプランニング1グループ
橋本智明
2007年オールアバウト入社。広告運用や商品企画を経て、19年からマーケティングプラットフォーム「All About PrimeAd」のマーケティングとプランナーを兼務。
梶井 氏
アスクル株式会社
BtoCカンパニー ビジネスマネジメント&
アナリティクス ECマーケティング
マネージャー
梶井健吉
2014年アスクルに新卒入社。個人向け日用品EC「LOHACO」のデータアナリストとして、分析環境構築、Webアクセスログ解析、事業分析など、幅広いデータ分析に従事。現在は企業間のデータ利活用を推進し、新デジタルマーケティングサービス「LOHACO Insight Dive」の立ち上げも担当。

音部:消費者がデジタライズして、企業側は消費者に関する多種多様なデータを取得できるようになりました。データから得られるメリットは複数ありますが、つまるところ「消費者理解がしやすくなった」ことに集約されると思います。ただ、一方でデータの種類も量も膨大になり、見方を誤ると全く生きないこともあります。橋本さんは「All About」というメディアに集まるユーザーデータをどう捉え、活用していますか?

橋本:我々が発信している約1300カテゴリーの記事に、どう接触しているかを追うことで、ユーザーの興味関心や価値観、態度変容を知ることができます。それらの分析をより良いコンテンツづくりに反映し、また企業とともに“ユーザーの背中を押す”企画記事にも生かしています。2017年からは、我々だけでなく約100のメディアと提携してマーケティングプラットフォーム「All About PrimeAd」の運用を始めています。

音部:梶井さんはどうですか? 「LOHACO」では、取引先である複数のメーカーなどと協業してデータ分析や商品開発をされていますよね。

梶井:はい、2014年から「LOHACO ECマーケティングラボ」を設け、参画企業に我々のビッグデータをオープンにして「LOHACO」内でのトライアルやナレッジ共有をしています。とはいえリアルな流通の場を考えると我々の規模は小さいので、トレジャーデータのCDPを導入して我々のデータと企業内のデータとの連携を可能にし、外部へも生かせるサービス「LOHACO Insight Dive」の提供を開始しました。

音部:それぞれ、消費者の中にある真実を見つけるためのデータが豊富にあると思いますが、企業の視点では場の違いを認識したほうが良さそうです。「LOHACO」には人の実際の購買行動のデータが膨大にある、つまり「現象」を知ることができます。「All About」には人の興味関心や嗜好性、価値観に関するデータが蓄積されているので、人の行動の背景にある「原因」や「理由」を推測できる。この違いを把握したうえで掛け合わせれば、消費者を立体的に、全人格的に捉えられるはずです。

 

 人の価値観を把握し、態度変容も促すことができるメディア。そして、購買行動をつぶさに捉えられるEC。次ページでは、双方のデータを活用し、メーカーなど事業会社がどのように事業成長できるかを深掘りする。

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