日経xTREND SPECIAL

商品押しではなく、いかに生活シーンに溶け込ませるか/多様な業界の課題を解決に導く行動ビッグデータの活用法 杉本昭彦×高橋宏祐氏×桑野祐一郎氏

誰もが手軽に行動ビッグデータを分析できるツール「DS.INSIGHT」が2021年4月から料金体系を一新。新プランの狙いや効果的な活用法について、ヤフーの荻野剛至氏のインタビューと実際に活用している千趣会、中外製薬の事例から読み解いた。

社会全体でデータ利活用を加速させる

 Yahoo! JAPANは100を超えるサービスを展開している。それらのサービス群から生まれるビッグデータをAIで可視化し、企業や自治体の課題解決や事業活動に役立ててもらう法人向けサービスが、『ヤフー・データソリューション』だ。

 その中でも、検索データやスマートフォンの位置情報データから成る“行動ビッグデータ”を活用し生活者のインサイトを可視化するサービスがある。2019年10月にローンチした検索データの『DS.INSIGHT People』と位置情報データの『DS.INSIGHT Place』から成る『DS.INSIGHT』だ。

 特長は、アンケートやSNS調査、カスタマーレビューでは得られないカスタマーの本音が得られることだ。誰かに見せる前提ではない検索履歴からこれまで顕在化しなかったカスタマーの声を拾うことができ、サービス改善や商品開発に活用できるという。

Yahoo 荻野氏
ヤフー データソリューション事業本部 クライアントソリューション部 プロダクトソリューション リーダー 荻野剛至氏

 「Yahoo! JAPANのユーザーは年齢や性別に偏りが少なく、あらゆる属性にリーチできるのが強みです。また、直感的に操作できるUI(ユーザーインターフェース)なので、データに慣れていない人でも使いやすいこともメリットです。ネット系企業だけでなく、飲料メーカー、テレビ局、自治体など多様な業界のお客様に活用いただいています」と荻野氏。20年11月から21年3月まで、1契約でライセンス数を無制限に使用できる『全員DXキャンペーン』を実施。4月からは新料金体系を打ち出し、さらなる普及に努めている。

 荻野氏は、「キャンペーンの目的は、<社会全体でデータの利活用を加速させたい>という想いを実現することです。多くの企業で、データを基にした議論や共創環境が活発になればと思っています。例えば、現在導入していただいている千趣会様や中外製薬様は、担当者がDS.INSIGHTによるデータ分析を推進することで、チーム全体や他部署でも利活用が広がっています。このような理想的な動きを、4月からの料金体系の変更によってさらに広げていきたいですね」とその狙いを語った。