事例調査から見える、
DXにおけるデジタルプロダクトの重要性

GNUS
執行役員
ソリューション部門
マネージングディレクター
三浦 直也 氏

DXの成果に「十分に満足」している大企業役職者はわずか6%。衝撃的な事実が、電通グループでDX、企業変革を支援するGNUS(ヌース)独自の「DX調査2022」から見えてきた。回答企業の半数がDXに年間1億円以上をかけている中で、この数字は余りに低い。成果が得られた企業と、そうではない企業との差はどこにあるのか。GNUS 執行役員 ソリューション部門 マネージングディレクター 三浦直也氏は説明する。

「DXの成果に『十分に満足』と答えた企業の中で、デジタルプロダクトや顧客体験の具体化を重要と考える企業は、6割を占めました。さらに、実際にプロダクトやサービスをリリースした企業は、同じく成果に『十分に満足』と答えた企業の8割以上を占めています。デジタルプロダクトに対する取り組みが、満足度の差になってあらわれていると考えています」

同社 アカウント&マーケティング シニアビジネスアーキテクトの栗林祐輔氏は、「DXの成果に満足している企業は『ビジョン設定』『ユーザーニーズ理解』に加え、デジタルプロダクトの継続的な『アップデート』を重視していることも分かりました」と付け加える。

DXの成果におけるデジタルプロダクトの重要性
(左)DXの成果への満足度、(右)プロダクト・サービスのリリース

「DXの取り組みとして検討されているデジタルプロダクトとは?」のアンケート項目では、デジタルサービス、製品のIoT化、アプリ開発という回答が上位に入った。三浦氏は強調する。「DXにより生み出されるサービスが顧客体験を向上させたり、新たな顧客接点を創出し、事業成長を図る必要があります」。

DXにおけるデジタルプロダクトの重要性は、GNUSの「DX調査2022」でも明らかとなった。では、なぜ多くの日本企業にとってデジタルプロダクトのリリースが難しいのか。「デジタルプロダクトの事業化は企業変革を伴います。着手したくてもできない理由は、組織や文化を変えるのは容易ではないからです」(三浦氏)

※ 「DX調査2022」(GNUS実施、2022年12月)。DXを推進している日本企業(売上高100億円以上)の管理職以上500人に対するアンケート調査より集計。「まだ成果を測れる段階ではない」との回答を除く

デジタルプロダクトを通して
利益を生み出し続けるビジネスモデル

GNUS
アカウント&マーケティング
シニアビジネスアーキテクト
栗林 祐輔 氏

「デジタルプロダクトの観点では、マーケティング部門・商品開発部門とIT部門が分断されているのが大きな課題です。商品開発はユーザーを見て、デジタルプロダクトを見ない。IT部門はデジタルプロダクトを見て、ユーザーを見ない。変化の激しい時代にあって、ユーザーのニーズをいち早く捉えてプロダクトに反映していくうえで、両者の分断はサービスをリリースするスピードの阻害要因となります」(三浦氏)

組織や体制は短期間で整備できない。重要なポイントは目標を定め、走りながら課題を解決していくことだ。「組織を変えてデジタルプロダクト事業を立ち上げるのではなく、デジタルプロダクトを軸に企業を変革していく。それを実現する考え方がPLT(プロダクト主導型トランスフォーメーション)です」(栗林氏)。

PLT(プロダクト主導型トランスフォーメーション)とは何か。栗林氏は説明する。「近年、テック企業の台頭を機に、UI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)の追求によってプロダクト自身が顧客を獲得し、持続的に成長していくPLG(Product Led Growth)という考え方が、欧米を中心に浸透してきました。その発展形としてPLTは米国で生まれ、注目を集めています」。

多くの営業や販売員に頼るのではなく、プロダクトが事業の中心となることによって、事業や組織を変革していくPLT。その革新性を、三浦氏は強調する。「テック企業が躍進したビジネスモデルのノウハウを非テック企業に展開することは、変革が進まない日本企業をドラスティックに変えるきっかけになると考えています。GNUSは、単にデジタルプロダクト開発をサポートするのではなく、PLTの実践により日本企業の変革を支援します」。

GNUSをチームの一員に
プロジェクトの成功、内製化まで支援

イノベーションコンサルティングとソフトウエア開発を、一貫したシームレスなサービスとして提供するGNUS。創業4年で自動車、製造業、エネルギー、メディア、フィットネスなど、業界トップ企業のPLT実践を成功に導いてきた。では、PLT成功のポイントとは何か?

「定量分析だけでなく、モックアップなどを利用しユーザーの本音を知ることが大切です。またユーザーの声を素早くプロダクトに生かすために、アジャイル開発手法の採用、継続的改善を続ける体制の構築も欠かせません。当社が実施した『DX調査2022』でも同様の結果が出ています」(三浦氏)

DXの成果に「十分に満足」な企業が重要視する3つの観点

PLTの実践とは、具体的にどのように進めるのだろうか。「全社一丸となって取り組むためにビジョンを打ち出すことが出発点です。GNUSはビジョン作成を支援します。様々な部門に対しヒアリングを実施し企業の持つ強みを抽出、また顧客や市場に関するデータを使ってビジネスチャンスを分析します。さらに、顧客接点となるデジタルプロダクトにおける顧客体験をデザインします。販売促進の観点から、長年にわたり消費者や企業と向き合うことで培った電通グループのノウハウは、当社のアドバンテージです」(三浦氏)。

新規事業開発ではトライ&エラーが欠かせないと三浦氏は話す。「プロジェクトの中で、複数のテーマが同時に走っています。前例がない、新しいことにチャレンジするため、誰も正解が分かりません。早い段階でユーザーに対しモックアップやプロトタイプを使ってリサーチを行い、ふるいにかけて、正解の1つに投資します。また、長い時間をかけ、完成度を高めるのではなく、アジャイルプロセスの導入により早期にリリースし“ユーザーの声”を反映しながら価値向上を図っていきます」。

プロトタイプ作成やアジャイル開発などの技術支援は、デジタル技術分野の人材ネットワークを有する米国Gigster社との協力関係も活用しながら、GNUSが案件ごとに最適なチーム組成を行う。必要なときに必要な人材を活用する、アジャイル開発に適したスタイルを採用している点も特徴だ。

GNUSと一般的なコンサルティングやSIerとの違いは、内製化の積極的支援にあると栗林氏は強調する。「GNUSでは、プロジェクトを通じて内製化に向けてスキルトランスファーを行います。また、プロダクトマネージャーやエンジニアなどの人材採用も支援。PLTを自ら実践し自走することで、DXによる企業変革が加速します」。

危機感を企業変革の転換点に!
GNUSが支援したPLT実践事例

GNUSのクライアントは、業界をけん引する企業が多い。その理由について三浦氏は言及する。「デジタル技術革新、カーボンニュートラル、パンデミックなどにより、産業構造が大きく変わる中、業界トップ企業は強い危機感を抱いています。DXで企業変革を実現し、業界の構造変革を促したいと本気で思っている企業は、当社のPLT実践手法に対する理解と共感が深いと感じています」。

GNUSが支援したPLT実践事例のポイントを以下に紹介する。

今後の展開について栗林氏は「GNUSは、構想、開発、運用、継続的エンハンス、内製化までをカバーしています。お客様の企業変革実現に向けて、内製化のサービス拡充は今後の重要なテーマです」と話す。

日本企業の特性を生かすことも重要なポイントになると三浦氏は話す。「多くの日本企業は、問題点に気づき、改善する文化を有しています。大事なのは、デジタル時代向けに日本企業の強みをチューニングすることです。PLTを実践し、ものづくりからコトづくりへの転換を図ることで、日本企業の新しい成長期が始まります。GNUSは、日本企業とともに産業の活性化に寄与していきます」。

危機を新たな成長への転換点とするために、日本企業とGNUSの挑戦は続く。

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