
インターネットイニシアティブ
2024/11/1
今回、IIJが開発したプライバシーツールの名称は「STRIGHT(ストライト)」。「まっすぐに(Straight)、正しく(Right)」という意味を込めた造語で、クッキーに限定せず、Privacy Sandboxなどの追跡技術にも対応している。IIJ ビジネスリスクコンサルティング本部の中西康介氏は、同ツールの開発経緯について次のように語る。

「日本の多くのブランドサイトでクッキーバナーが導入されていません。法的義務がないとはいえ、わかりやすい説明(透明性の確保)をしないまま行動ターゲティングデータを取得しているのは世の中の流れに反する好ましくない状態です。さらに問題なのは、後から自主的に拒否できるオプトアウトの機能が実装(本人関与機会の提供)されていないこと。この2つの課題を解決したいと考え、STRIGHTを開発しました」(中西氏)
STRIGHTではまず、第1層でバナーを表示させないことをデフォルトにした。具体的にはPCならフッター、モバイルならいわゆるハンバーガーメニューに「プライバシー設定」などの項目でリンクを配置。当該リンクをクリックまたはタップすることで、クッキーなどのユーザーデータ取得の説明文、拒否可能な画面を第2層として表示する。これにより、顧客体験を毀損することなくブランドサイトで透明性の確保と本人関与機会の提供ができ、上記の2つの課題が解消される。
ちなみに、バナーを第1層に表示することも可能。「既存のツールができることはすべて網羅しています。STRIGHTの提供を機に、このような選択肢があることを広く知ってもらいたい」と中西氏は話す。
「日本の電気通信事業法だけではなく、GDPRはもちろん、CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)をはじめとするグローバルのプライバシー保護規制に対応しています。例えば欧州からのアクセスに対しては欧州向けのバナーを表示する制御もできます。これまでIIJがプライバシー保護や個人情報保護領域のコンサルティングで蓄積してきた知見を生かし、世界各国の最新プライバシー保護規制にチューニングしています。法律の専門的な側面と高度な技術力によって、安心・安全な運用をサポートできるのが我々の強みです」(中西氏)
一方、プライバシー保護規制が強化されるなか、昨今、日本に限らず世界各国で「同意疲れ」が深刻化しているという側面もある。実際、欧州委員会でもクッキーバナーの代替ソリューションが協議されるなど、簡素化の方向も模索されている。こうした動向を踏まえると、STRIGHTはユーザー目線でも有効なツールと言えそうだ。
「どんな場面でも同意を求められ、法的な文言をよく読まずに同意してしまうケースが増えてきました。ですが、STRIGHTは今までと同じ見た目でユーザーが主体的に選択する仕様なので、ユーザビリティは変わりません。同意率、拒否率、訪問者数などを見やすいダッシュボード画面で確認できるのもポイントです。ユーザーの使い勝手を損ねることなくデータを取得できる事業部門の「攻めのニーズ」、コンプライアンスやCSRを示したい法務部門の「守りのニーズ」を満たすことができるわけです。いわばSTRIGHTは、“三方よし”のツールと言えるでしょう」(中西氏)
中西氏は「ブランドサイトのプライバシー保護を一段上のレベルに引き上げることもSTRIGHTの重要なミッション。浸透することで、クッキー対応が大きく変わると考えています。このタイミングで、ぜひ日本のブランドサイトに強くなっていただきたい」と締めくくった。頭を悩ませてきたブランドサイトのクッキーバナー問題が、STRIGHTによって払拭される日は近いかもしれない。

STRIGHTについての詳細はこちらに掲載しています
https://www.bizris.com/stright/jp
https://portal.bizrisk.iij.jp/