“明日”をつむぐテクノロジー special

製品群を横断しワンフェースで提供 環境・安全・情報を柱にクルマの進化と共に歩む東芝の車載半導体

※記事中の情報につきましては、すべて取材時点のものとなります。
自動車の電子化と電動化に不可欠なのが高性能かつ高信頼な半導体デバイスだ。東芝グループの中で車載半導体を手掛ける東芝デバイス&ストレージは、「環境」、「安全」、および「情報」をキーワードに、クルマの進化を支えるミックスドシグナルICディスクリート半導体を幅広く展開している。同社の取り組みの一端を紹介していこう。

自動車産業が堅調だ。2010年以降、ワールドワイドでの市場は連続してプラスの伸びを示しており、2017年の販売台数は前年比で3.1%増の9680万台[*1]に達した。2020年には1億台を突破する見込みだ。

自動車産業の伸びを牽引しているキーワードは3つ。「環境」、「安全」、そして「情報」である。

環境」はCO2の排出抑制による地球温暖化の防止が背景にある。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)、および電気自動車(EV)がシェアを伸ばしており、一部の国では政策としてEV化を推進している。

安全」は交通事故の撲滅と自動運転の実用化を目指した取り組みだ。衝突被害軽減ブレーキに代表される先進運転支援システム(ADAS)の普及に加えて、レベル3およびレベル4の自動運転の実用化に向けた開発が進められている。

情報」はいわゆるコネクテッドカーにまつわる動きである。動画やオーディオを扱う車内ネットワーク、外部クラウドサービスなどとのコネクティビティ、自動運転の高度化に必要な車車間・路車間通信(いわゆるV2X)など、さまざまな取り組みが始まっている。

  • [*1] OICA(Organisation Internationale des Constructeurs d'Automobiles:国際自動車工業連合会)発表値

ワンフェースでソリューションを提供する体制を整備

福岡 浩 氏 東芝デバイス&ストレージ株式会社 車載戦略部

自動車の進化に大きく寄与しているのが半導体デバイスである。高性能かつ高信頼な半導体デバイスは、自動車の電子化および電動化に不可欠といえる。

「半導体のワールドワイドでの市場規模は30兆円を超えていますが、そのうちの10%弱が車載用と言われています。しかも、自動車市場の年平均成長率のおよそ2倍に相当する4.5%もの成長が今後数年は続くと期待されるなど、『環境』、『安全』、『情報』を進化させていく上で、その役割がますます重要になっていくことは確実です」と説明するのは、東芝デバイス&ストレージで車載半導体事業を手掛ける福岡浩氏だ。

同社も、「環境」、「安全」、「情報」の3分野を中心に、車載半導体への取り組みを加速させている(図1)。その一環として、2017年10月には、事業部を横断して自動車メーカーやサプライヤにワンフェースでソリューションを提供する車載戦略部を新たに組織した。「当社が持つミックスドシグナル製品群を密結合させながら、お客様にとって魅力ある価値を訴求していきます」(福岡氏)。

具体的なソリューションとしては、「環境」では電動化に必要なパワーデバイスやゲートドライバを提供。「安全」に関しては、人物や自転車などを高精度に認識する画像認識プロセッサ「Visconti™」や、次世代方式で開発が進められているLiDARなどを提案する。「情報」に関してはEthernet AVB用のブリッジICなどのソリューションを揃える。

同社の主なソリューションを、2018年5月にパシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」(主催:公益社団法人 自動車技術会)での展示の様子と合わせて紹介しよう。

図1 東芝デバイス&ストレージが取り組む車載半導体の三つの柱
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● ワンフェースでソリューションを提供する体制を整備
● モータ制御の小型化や効率化を実現するソリューション
● 深層学習の認識プロセッサやLiDARソリューションを開発中
● Ethernet AVBやMIPIのブリッジチップを展開
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