顧客データを統合し、顧客マスターを自動でメンテナンス!データメンテナンスに係るコストを大幅削減するアプローチとは?

様々なシステムの顧客データを名寄せし、マスターデータ化

Sansan株式会社 Sansan事業部 Customer Intelligence部 プロダクトマネジャー 清水 隆介 氏
Sansan株式会社
Sansan事業部 Customer Intelligence部
プロダクトマネジャー
清水 隆介

 日本のビジネスにおいて欠かせない営業ツールである名刺。そのような名刺の情報をデータ化しクラウド上で管理できるようにすることで、名刺管理にイノベーションを起こしたSansan株式会社。2007年のサービス開始から10年以上が経ち、国内でその存在を知らないビジネスパーソンはいないだろう。
 同社は「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを掲げ、7,000社超の企業で採用されている法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」と、200万人超が利用する個人向け名刺アプリ「Eight」という2つのサービスを提供する。そして、「Sansan」の効率的な名刺管理機能を様々なシステムと連携させることで、新たな付加価値を生み出すサービスとして注目されているのが、2018年3月にリリースされた顧客データ統合ソリューション「Sansan Customer Intelligence」だ。
 「Sansan Customer Intelligence は、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の拡張ソリューションで、名刺データベースを用いて、SFAやCRM、経理情報など、様々なシステムが持つ顧客データを自動的に名寄せ(統合)することができます」。そう語るのは、Sansan事業部Customer Intelligence部プロダクトマネジャーの清水隆介氏だ。
 同社が10年以上培ってきた“精度の高いデータクレンジングと名寄せの技術”により、顧客データを名寄せし、クラウド上にマスターデータとして格納。あらゆる業務システムとSansan Customer Intelligenceを連携させることで、常に最新の顧客データを営業やマーケティングに活かすことができる。
 「例えば、営業部門がSFAを、マーケティング部門がMAを導入しているケースでも、Sansan Customer Intelligenceが自動的に“データクレンジング”と“名寄せ”を行うことで、常に最新の顧客マスターを手に入れることが可能です」(清水氏)

Sansan だからできる、精度の高いデータクレンジングと名寄せ

Sansan株式会社 Sansan事業部 Customer Intelligence部 プリンシパルソリューションエンジニア 久永 航 氏
Sansan株式会社
Sansan事業部 Customer Intelligence部
プリンシパルソリューションエンジニア
久永 航

 マーケティングや営業シーンにおいて、何よりも重要と言える顧客データ。一方で、企業名だけ取ってみても、正式名称と略称、通称(例:日本電気とNECなど)や株式会社の有無が登録する人によって異なるなど、登録ルールが徹底されていないことが原因で泣き別れてしまうケースは多い。手入力による打ち間違いに加えて、合併や社名変更などによって顧客データ自体が変化してしまうようなケースも含めると、顧客データをきれいに保つだけでも一苦労だ。
 「法人データベースやSansanの名刺データと連携し、こうした表記揺れや入力ミスの訂正、顧客データの更新などが自動で行われるデータクレンジング機能が、Sansan Customer Intelligenceの特長の一つです。特に、表記揺れや入力ミスによる誤りを正しい企業名に整えるといったデータクレンジングができる点は、大量の名刺を人力も用いて高精度でデータ化してきた中で、人が入力する際にミスが起きやすい傾向をノウハウとして蓄積してきたからこそ実現できた、われわれの強みです」。そう清水氏は強調する。
 「Sansan」による名刺のデータ化において、99.9%の精度が担保できているのは、AIなどのテクノロジーとオペレーターによる人力を組み合わせ、多重入力を実現している点にある。さらに、Sansan Customer Intelligenceでは、これまで「Sansan」で作り上げた仕組みを活用・進化させることで、さらに高い精度でのデータクレンジングを実現している、という。
 「名刺管理サービスにおいて、“名寄せ”と呼ばれるデータ統合化プロセスが重要です。同じ人物と複数回名刺交換をすることはよくあると思いますが、その際になるべく人手を介さず名刺のデータが人物単位で名寄せ(統合)されないと、社内の接点がどこにあるのか、俯瞰して見ることができません。また、その人物との接点を時系列で確認することもできなくなります。「Sansan」では、ユーザーになるべく手間をかけさせずに、自動で名寄せをかけ続けるサービスを提供してきました。こうしたノウハウ・技術を発展させ、Sansan Customer Intelligenceのシステムの裏側には、自動で名寄せができなかった場合でも、その原因を分析・学習し改善していく仕組みが備わっています。この仕組みが、Sansan Customer Intelligenceの特長の一つです。仮にデータが名寄せできなかったとしても、定期的にこうした仕組みが回ることで、次に名寄せを実行する際の確率を上げることができ、これまでにない顧客データの自動的な統合が実現できるというわけです。実際、他社サービスをご利用されている企業の中で、これまでと比較してデータクレンジングが30%改善し、顧客データの統合に成功した企業様もいらっしゃいます」。そう話すのは、Sansan事業部 Customer Intelligence部プリンシパルソリューションエンジニアの久永航氏だ。

各拠点やグループ会社に散在している顧客データを一元管理することで戦略的な活用が可能に

 社内で時間をかけて行っていたデータクレンジングと名寄せ(統合)の作業を効率化できると同時に、クラウド上には最新の顧客マスターがきれいに保管されていく。また必要に応じて、収集元のSFAやCRM、MAに最新データを“書き戻す”ことも可能だ。“データメンテナンスのコスト削減”や”顧客マスターの維持・管理”だけでなく、SFAやCRM上での“顧客情報や売上情報の見える化”という観点からも、Sansan Customer Intelligenceは有用なツールと言えるだろう。
 全国規模で展開している企業や多くのグループ会社を持つ企業の場合、拠点ごとに利用しているSFA、CRMなどのツールが異なり、物理的に全社のシステムを再統合することは難しいというケースも多い。
 「先日、複数の拠点を持ち、事務所ごとに異なるSFA、CRMを使っているお客様から『顧客データの統合ができないか』と相談を受けました。“現場で利用する業務システムは変更せずに、全事務所の顧客データを統合し、可視化したい”という要望に対して、Sansan Customer Intelligenceの活用で顧客データを統合して一元管理できるようにしたところ、非常に喜んでいただくことができました」(清水氏)
 また、複数のグループ会社を持つ企業の場合、使っている会計システムが企業ごとに異なることがある。グループをまたいだ顧客マスターの統合といえば、これまで多大な時間とコストがかかるのが一般的だったが、Sansan Customer Intelligenceを使えば、短期間に、かつこれまでよりもコストを抑えて統合することが可能になるという。自動的に各会計システムの持つ取引先を名寄せして、グループ企業の壁を超えて一元管理ができるようになるのだ。
 戦略立案という視点で考えると、グループ全体でデータを統合して一元化した顧客マスターを活用することで、グループ全体にとって最重要な顧客や次に関係性を強化する顧客が見えてくるため、事業目線や経営目線で活用される可能性は飛躍的に広がっていくだろう。
 「Sansan Customer Intelligence は、帝国データバンクとも連携しており、法人番号・業種・売上・従業員数などの情報を顧客情報に付与できる機能もあります(一部有償)。例えば、MA と連携させれば、登録された名刺情報と企業情報をベースに、“従業員が1万人を超える企業の部長クラスをターゲットとしたセミナーの案内をする”といった、狙いたいセグメントに対するマーケティング施策を実行することも可能です。また、業種分類を活用して業界別のアプローチにつなげることも可能です」と久永氏は説明する。また、クラウド名刺管理サービス「Sansan」では、顧客とのやり取りの頻度や、誰と誰が名刺交換をしているかなど、トランザクションデータを確認することもできるため、実際にお客様のところへ訪問する際の参考情報としても広く活用できるという。

BI や AI活用の基盤となる“正しいデータ”の整理に活躍

 時代の流れが速く、日々経営課題やテーマが変わっていく今。迅速な意思決定のためには、企業が蓄積している膨大なデータをリアルタイムに分析できるBI(ビジネス・インテリジェンス)の活用は欠かせないだろう。
 「どんなにツール自体が優れていても、基となるデータが整理されていなければ役に立ちません。例えば、特定顧客との取引状況やグループ各社ごとの売上データ等“すぐにこのカットで見たい”というデータを作成するために何時間もかかってしまっていては、ビジネスチャンスを逃してしまいます。異なるシステム間の顧客データを手間なく統合し、BIに提供できることは、Sansan Customer Intelligence の強みでもあります」(久永氏)

 一方で、AIを活用するために、顧客データや売上データ等のデータクレンジングと名寄せが課題という企業も多いのではないだろうか。
 「AIへの投資がトピックになっていますが、いざ導入しようとしたときにデータ自体が整備されていないと十分なデータ解析ができないというシーンは増えてくるでしょう。例えば、過去の受注実績から受注しやすい企業の傾向を探索しターゲティングしようとした際に、過去の受注データがきれいになっていない状態では、社員規模や売上規模などの情報を十分に当てることができず、成果につなげるために膨大な時間を要するはずです。まずはデータをクレンジングし、AIが料理できる状態にすることがスタートになると思います」(清水氏)
 “データ分析を行う時に、一番時間を使うのがデータクレンジング”と多くのデータサイエンティストが嘆くように、データマネジメントの領域にかける時間を効率化することが、BIや AIを活用していくというフェーズでは重要になっていく。
 「Sansan Customer Intelligenceによるデータ統合は第一歩だと思っています。様々な業務システムに散在する顧客データをどう有機的に結び付けていくか。統合された顧客マスターをどのように経営や営業活動に活かしていくか。そのようなお客様の課題と向き合いながら、有益なデータ活用ができるプラットフォームを構築していくお手伝いをさせていただければと思います」(久永氏)

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