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xTECH EXPO 2018レビュー

進化したAIテクノロジーとデータ活用事例

日本マイクロソフト(西脇資哲氏)
AI/Connected/Big Data
最新テクノロジーとデータ活用変革

これまでオフィス業務を中心に活用されてきたAIが、ここにきて多様な業種で応用され始めている。日本マイクロソフトのエバンジェリスト 西脇資哲氏が、マイクロソフトのAIを活用した多彩な事例を中心に、AIの最新動向に触れ、業務に合わせた実践的AI導入のアプローチを解説した。

サーバーリプレース時の
次の選択肢はクラウド

西脇 資哲 氏
日本マイクロソフト株式会社
コーポレート戦略統括本部
業務執行役員・エバンジェリスト
西脇 資哲

 Windows 7が2020年1月に、Office 2010が2020年10月に延長サポートを終了する。サーバー製品も、SQL Server 2008/2008 R2が2019年7月に、Windows Server 2008/2008 R2が2020年1月に同じく延長サポート終了となる。これらの更新をオンプレミスで対応しようとすると情報システム部門には多大な負荷がかかってくると西脇氏は切り出し、「来年は改元と消費増税が予定されており、それでなくても情報システム部門はやらなければならないことが山積しています。物理サーバーの入れ替えやメンテナンス対応をしている場合ではないでしょう」と警告する。

 そこで、西脇氏が推奨するのが、Microsoft Azureを使ったクラウド化だ。Microsoft Azureは、強固なセキュリティや柔軟な拡張性を持ち、最新のAI活用も容易。54リージョン、100以上のデータセンターを持ち、さらに増強を続けている。驚くべきことに、海中にMicrosoft Azureのデータセンターを作るプロジェクトも進行中だという。陸上と違い用地確保の制約がなく、さらに海水の温度を利用した効率的・低コストな冷却が可能になるからだ。「Microsoft Azureに移行すれば、SQL Server 2008やWindows Server 2008のセキュリティ更新プログラムも延長されるので、セキュリティを高めながらデジタルトランスフォーメーションを推進できます」(西脇氏)。

 さらに西脇氏はクラウドに移行すべきもう1つの大きな理由として、データ爆発を指摘した。今やすべてがインターネットにつながる時代となり、日々生成されるデータも膨大な量になっている。例えば、2020年までに1日あたりのデータ生成量が、スマートホームでは50GB、自動運転では5TB、スマートファクトリーでは1PB(※)となると言われている。日々増大するこれらのデータを迅速に受信し処理するには、クラウドでなければ難しい。「この膨大なデータは、マイクロソフトが責任を持ってお預かりします」と西脇氏は力を込めた。

※1PB(ペタバイト)は1000TB(テラバイト)に相当。ギガバイト換算では100万GBになる。

日々生成される莫大なデータをどうするか
さまざまなインフラ、そして人の行動から生まれるデータを受け止めるにはクラウドしかない
日々生成される莫大なデータをどうするか
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汎用AIはマイクロソフトに任せ
自社に特化したAIをエッジで処理

 現在IoTの進展により、従来では考えられなかったことが実現している。スペイン バルセロナでは、街灯のセンサーによりさまざまな気候や環境データを取得。気象予測会社や大学の研究機関、自治体などにこれらのデータを販売するビジネスが生まれている。また米国では、エレベーターのモーターの保守にIoTを活用。エレベーターの動きをモニタリングし、モーターの回転数、騒音、熱、油の温度など多様なデータを蓄積している。それらをAIで解析し、高い精度で故障日を予測。正確な予測が可能になったことで、事前対応が可能になった。米国の医療機関では、1万人の患者の医療データを基に、AIが診断の優先順位などを決定するという試みが行われている。

 このような取り組みを支えるAIの性能が、急速に高度化している。今や、画像認識や音声認識など多くの機能が人間の精度を越える。「AIがようやく人間に追いついたか、とおっしゃる方がいますが、同等になった時点で、既にAIは人間を越えています。なぜなら、AIは人間には不可避の“疲れる”、“さぼる”、“忘れる”がないからです」と西脇氏は話す。

 音声認識を実現するクラウドサービスとして、Microsoft Translatorを紹介。米国マクドナルドのドライブスルーでは、オーダーの自動認識の実証実験を行っている。細かいオーダー内容を自動的に認識し、キッチンに正確に伝える。ただし、マイクロソフトができるのは音声認識までだ。「オーダーに落とし込むには、皆さんの業務を理解したAIに育てる必要があります」(西脇氏)。

 業務に合わせた処理を担うため、マイクロソフトとインテルがチャレンジしているのが、FPGA(Field-Programmable Gate Array)である。現場でプログラム可能な集積回路であり、自社に特化したAIをエッジ側で実現する。「音声認識などの汎用的なAIはマイクロソフトにお任せください。お客様はFPGAを使って、自社の業務に合わせたAIを育ててください」と西脇氏は取り組みのアプローチを説明した。

マイクロソフトのAIがビジネスを変える
視覚・音声・言語などの汎用AIをベースに、効率的なデジタルトランスフォーメーションが行える
マイクロソフトのAIがビジネスを変える
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遊園地、漁業、店舗など
あらゆる業態でAIが活用される

 次に西脇氏は画像認識のデモを実施。30万ページものケネディ大統領暗殺に関する調査資料から、犯人とされる「Oswald」の検索をすると、手書き文字を含むすべての検索結果を表示した。単語同士の関連性の図示も可能で、Oswaldという単語と一緒に最もよく出てくる単語までわかる。AIによって紙ベースの資産も貴重なビッグデータとなり、調査分析や研究開発に役立てられるという好例だ。

 顔認識に関しても、性別やおよその年齢、表情などまで判別。米Uberは、マイクロソフトの顔認証サービスを活用し、ドライバーの顔認証に加えて、運転中のドライバーの表情から危険予測を行う取り組みも進めている。スターバックスでは、顧客の表情や待ち行列の様子、店舗内の環境データなどを分析し、店舗改善につなげている。

 西脇氏は国内における実ビジネスへの貢献事例も紹介。例えば東京サマーランドでは、ピーク時に1日3~4万人にもなる来訪者の年齢層や性別などの属性を、マイクロソフトのAIを活用して自動判定している。また、近畿大学では、AIを使った稚魚の自動選別を実施。伊勢の老舗土産物店の「ゑびや」では、AIによる需要予測を実施。的中率が90%にものぼり、4年間で売上が4倍、利益率も10倍に向上した結果、社員の平均給与が20%アップ、完全週休二日制や残業削減を実現した。

 監視カメラの映像データ分析もAIが威力を発揮すると西脇氏は指摘。工場現場などで事故につながる事象が起きた場合に、監督者に自動的にアラートを出したり、近くの作業員に対処を指示したりできる。また、病院では、患者が行ってはいけない場所に入った場合、看護師に緊急連絡を送ることも可能になる。

 AIはもはや企業の成長を大きく左右する必須のテクノロジーになりつつある。最後に西脇氏は、「ぜひマイクロソフトのAIを活用し、デジタルトランスフォーメーションを実現してください」と締めくくった。

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お問い合わせ
  • 日本マイクロソフト株式会社

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    TEL:0120-337-499(Microsoft Azureに関するお問い合わせ)

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