一般的に商品の評判を左右するのは品質や価格。しかし食品や日用品など消費者が日常的に購入する消費財は、これらに加えて、メーカーに対する消費者のイメージが影響するようになっている。「資源の適切な利用やトレーサビリティの確保、生産現場で働く人に対して優しい環境なども消費者が商品選択の際に考慮するようになりました」と話すのはHome & Lifestyle, CPG & Retail Industries担当副社長のPhilippe LOEB氏だ。SDGs(持続可能な開発目標)が製造業含めあらゆる産業で注目され始めたことにも表れており、特に若い世代はそれを重視する傾向が強いといわれている。
一方で消費財メーカーは製造業として、生産性を常に追求する必要があるが、生産性を高めるために原材料やエネルギーを湯水のごとく使い、大量の廃棄物を出し続けているようでは、消費者に受け入れられないのは明白である。社会的に正しい生産活動、すなわち製造業としてのコンプライアンスを維持しながら生産性を高められるようなものづくりが求められているのだ。
両立が難しいそれらを最適化し、消費財に対するニーズの変化に対応できるよう、ダッソー・システムズはクラウドベースのものづくり基盤「3DEXPERIENCEプラットフォーム」で支援。さまざまなメーカーで消費財生産の改革を実現し、大きな効果をもたらしているという。次ページ以降でその事例を詳しく紹介していく。