特別鼎談 システムと組織の観点で分析 何がDXに「待った」をかけているのか

あらゆる企業にとって待ったなしのテーマとなっているデジタルトランスフォーメーション。多くの企業が重要性を認識しつつも、取り組みを進める中で様々な困難や課題にぶつかっている。デジタルトランスフォーメーションを推進するには、どのようなシステムや組織を作ればよいのか──。IT調査・コンサルティングを手がけるアイ・ティ・アールの代表取締役/プリンシパル・アナリスト 内山悟志氏と、企業のITインフラを支えるレノボ・エンタープライズ・ソリューションズの製品・企画統括本部ソリューション・アライアンス本部長 早川 哲郎氏、日経BP総研フェローの桔梗原 富夫が語り合った。

ビジネス成長に向けた投資はわずか1割

桔梗原企業がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)に取り組む中で直面している課題をどのように見ていますか。

内山私が真っ先に指摘しているのが既存システムです。私たちの調査では、日本企業のIT投資の内訳は、「ラン・ザ・ビジネス」、つまり既存システムの保守運用に3分の2が割かれています。残りの新規投資の割合を見ても「業務改善」「業務継続」「ビジネス成長」におおよそ3分の1ずつ。つまり、ビジネス成長に対する投資は厳密には全体の1割に満たないというのが現状です。これではDXはなかなか進まない。既存のシステムの保守/運用、および業務改善/業務継続という「お守り(おもり)」を減らさなければ、新たにDXに向けて全力で走ることはできません。

早川経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜」でも、そのことははっきり指摘されています。「お守り」を減らすことが、個々の企業の課題を超えて国家的課題になっているということです。

桔梗原では、既存システムの「維持・運用・管理」のコストをいかに「破壊・変革・創造」に移していけばよいのでしょうか。

NEXT「お守り」から解放するには既存システムの棚卸しが必要