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IBM+Red Hat OpenShiftで開く世界

日本IBM

IBM + Red Hat OpenShiftで開く世界

企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるには、レガシーITシステムのモダナイズが必須だ。IBMでは「クラウド第2章」としてコアビジネスのアプリケーションへのハイブリッド・マルチクラウド適用を提案する。その考え方やRed Hatとの協業の背景、クラウド第2章で実現される統合プラットフォームのあり方を日本IBMの望月敬介氏が解説した。

あらゆるアプリケーションを
クラウドに適用する「第2章」

望月 敬介 氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
ハイブリッド・クラウド・インテグレーション事業部
理事 事業部長
望月 敬介

 日本IBMの望月敬介氏は冒頭、経済産業省のDXレポート「2025年の崖」を示しつつレガシーITシステムのモダナイズの必要性について触れ、「企業がデジタル企業になるには、『ビジネスを支えるIT』という考え方から、『ITがビジネスそのものになる』という発想に変革する必要があります」と語った。

 そして、DX先進企業は、優れたソフトウエアコードはオープンソースから生まれる点を理解し、それをうまく活用していると説明。例えば、レガシーITシステムとクラウドネイティブを両立可能なコンテナやKubernetes(クーバネティス)といった技術を駆使してDX推進を図っているという。望月氏は「既存ITとデジタルを統合するITプラットフォームの構築がDX成功のカギを握ります」と説明する。

 IBMでは、企業がクラウドを活用してDXで成功する道のりを「クラウド・ジャーニー」と呼んでいる。その第1章は、コアビジネスのアプリケーションの一部をクラウドに移行する実験的な適用段階と位置付ける。そして、現在進みつつある第2章においては、既存IT資産のモダナイゼーションやコアビジネスのあらゆるアプリケーションをモダンなクラウド技術に適用していく段階と位置付けている。

 そのあり方について望月氏は、「今お客様が活用している既存のクラウドのみならず、他社のクラウドサービスでも管理と移動が可能なハイブリッド・マルチクラウド環境を展開し、お客様のクラウド・ジャーニーを支援する。これがIBMの考えるDXです」と語る。

IBMのハイブリッド・クラウド戦略
クラウド・ジャーニーで必要となるオープンでハイブリッドなアプローチを各ステップで提供
IBMのハイブリッド・クラウド戦略
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Red Hat OpenShift上に
IBMの技術を組み合わせる

 クラウドネイティブというと、既存アプリケーションを単にパブリッククラウド移行することと捉えがちだが、IBMが考えるクラウドネイティブとは、オンプレミスでもクラウドでもクラウドネイティブテクノロジーを動かせる状態のことを指している。

 現在、日本企業が運用するミッション・クリティカルなシステムは、レガシーとクラウドネイティブなアプリケーションが共存した状態にあり、「今後、10年間はこうした状態が続く」と望月氏は予測する。

 このため、ビジネス視点で考えた時、オンプレミスとクラウドをつないで1つのシステム、アプリケーションとして運用できなければ実用性が低下し、DX推進のブレーキにもなってしまう。そのため、企業はハイブリッド・マルチクラウド環境が必須になるという。

 そして、ハイブリッドクラウドには2つのパターンがあると望月氏は説明する。例えば、同じソフトやハードを用い、単一ベンダー内での可搬性や管理に限定される「ハイブリッド・モノクラウド」がその1つ。もう1つは、クラウド間で一貫したスタックの実現やクラウドベンダーの選択の自由、オープンスタンダード、マルチベンダー間での可搬性や管理が可能な「ハイブリッド・マルチクラウド」だ。IBMのハイブリッド・マルチクラウドによるアプローチについて「IBM Cloudの大きな特長は、コントロールが可能なマルチクラウド機能を有している点です」と望月氏は強調し、注目を集めるIBMとRed Hatのジョイントの背景について説明した。

 「両社は20年以上に渡って協業関係を続けており、今後もRed Hatの独立した協業体制を継続します」と話し、さらにオープンスタンダードへの取り組みとオープンソース・コミュニティへの貢献で結束している点を解説した。

 「両社の開発チームが一緒になり、OpenShift ver4以降の開発に取り組んでいます。今後、これらをコミュニティーにリリースすることも視野に入れています。両社のジョイントによって、Red Hat Enterprise LinuxとOpenShift上にIBMのテクノロジーなどを組み合わせ、ハイブリッド・マルチクラウドをさらに加速していきます」と望月氏はクラウド戦略の展望を述べた。

モダナイゼーションのための次世代プラットフォーム
「IBM Cloud Paks」は、オンプレミスからクラウドまで一貫性ある管理を実現する
モダナイゼーションのための次世代プラットフォーム
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クラウド第2章を実現する
統合プラットフォームを提供

 セッションの後段では、企業のDX推進に向けた4つのアプローチについて紹介した。1つ目がクラウド・ジャーニーの各ステップで助言する「Advise」。2つ目がシステム、データ、アプリケーションのマイグレーション及びモダナイズを支援する「Move」、3つ目が革新的なアプリケーションの構築を支援する「Build」。そして、4つ目がハイブリッドクラウド、マルチクラウド環境の管理、統制、最適化を支援する「Manage」だ。各ステップに対応する14の支援メニューも用意されている。

 例えば、Adviseでは全社クラウド戦略の立案やクラウド・アーキテクチャの策定、Moveではクラウド移行やクラウド・モダナイゼーション、Buildではクラウド・アプリケーション開発とDevOps、マルチクラウド基盤の構築、Manageでは全社アプリケーション管理やマルチクラウド管理など、各ステップに応じたメニューがある。

 これらを含め、「クラウド第2章」のハイブリッド・マルチクラウドを実現する統合プラットフォーム「IBM Cloud Paks」を提供する。アプリケーションのモダナイズとクラウド・ネイティブアプリケーションの基盤となるApplicationsをはじめ、Data、Integration、Automation、Multicloud Managementの5つのコンポーネントがあらかじめ統合されており、今後も拡大予定である。加えて、OpenShift上にコンテナ化されたIBMソフトウエアやオープンソースを組み込み、迅速・簡単なデプロイメントや、オンプレミスからクラウドまで一貫性のある管理が可能になる。

 望月氏は、「ミドルウェア全般のモダナイゼーションをしても稼働可能です。例えば、既存のWebSphereから切り替える際にも柔軟なライセンス体系を採用し、企業資産であるアプリケーションやスキルを保護しつつ、DXを成功させることができます」と語りこう続ける。

 「DX成功のカギは、オープン性です。今後も、OpenShiftの拡充などを通じて企業のDXを支援していきます」

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