日経 xTECH Special 日経 xTECH 日経 xTECH Special

xTECH EXPO 2019レビュー

性能と信頼が両立するIT基盤は何が違う?

日本マイクロソフト

企業の多様なワークロードを支える
性能と信頼を兼ね備えたIT基盤

クラウドなどITインフラの利用に当たっては、そのサービスの性能が自社のニーズを満たしているかだけではなく、データ消失や通信の遅延などを心配することなく、安心して使用できるかどうかも重要だ。「Microsoft Azure」では、インフラを構成するデータセンター、物理サーバー、ネットワークの各領域で強化策を推進。性能と信頼を兼ね備えた最適なIT基盤を提供している。

様々なリスクを想定した構成で
データセンターの可用性を担保

宇田 周平 氏
日本マイクロソフト株式会社
カスタマー サービス&サポート
サポート エスカレーション エンジニア
宇田 周平

 デジタル技術の活用がビジネス成功の前提である今、どのITサービスを利用するかが企業の浮沈を握る重要なカギになっている。その選定に当たって、企業はそのサービスが自社のニーズにかなうものであるか、そして信頼して利用できるものなのかを、しっかりと見極める必要がある。

 クラウドコンピューティングのプラットフォーム「Microsoft Azure」では、サービスを提供するマイクロソフトがデータセンター、物理サーバー、ネットワークの各領域について継続的な強化・拡充を行っている。これにより、ユーザーの多種多様なニーズを満たすことはもちろん、安心して使うことができる信頼性の高いインフラ環境を提供している。

 Azureのサービス開始以来、同社ではデータセンターの増設をハイペースで進めてきた。現在、世界の各地域に54のリージョン(うち10は稼働準備中)でデータセンターを展開。世界をいくつかの地域に分けた上で、地域ごとに必ず2つのリージョンを置くという形を取っている。これは、広域災害などを考慮した同社の方針だ。

 「例えば国内であれば、東日本、西日本という2つのリージョンが存在しており、仮に本番システムを東日本リージョンで運用しているのであれば、そのデータを西日本リージョンにバックアップしておくことで、仮に東日本が甚大な災害に見舞われたとしても、障害時に復旧できるわけです」と日本マイクロソフトの宇田周平氏は説明する。

 さらに同社では、リージョンの下位カテゴリーとして「可用性ゾーン」という概念を導入。リージョンはさらに3つ以上のゾーンに分けられる。それぞれのゾーンは1つ以上のデータセンターから構成され、各ゾーンで独立した電源、空調、ネットワークを確保している。そのため、システムをリージョン内の2つのゾーンのサーバーで稼働させておけば、仮に片方のゾーンで物理障害などが発生しても、サービスの継続が可能となる。つまり、データセンター単位の障害に対しては複数のゾーンに仮想マシンを分散配置するという方法で、また広域災害による障害に対しては2つのリージョンによる冗長構成を取る方法で、二重の障害対策を講じることができるのだ。

 「ただし、2つのリージョン間で冗長構成を取るケースでは、大規模な災害が発生して本番側のリージョンがダウンした際に、リカバリー先であるもう一方のリージョンのリソースが逼迫してしまう可能性も想定されます。こういった場合に備え、比較的近い他のリージョン、例えば東アジアや東南アジアなどのリージョンを使用することも視野に入れておくことが重要です」と宇田氏は語る。

ハイスピードで増え続けるデータセンター
アイルランド ダブリンのデータセンター。わずか数年の間に急拡大しているのが分かる
ハイスピードで増え続けるデータセンター
[画像のクリックで拡大表示]

進化を続ける汎用サーバーに加え
用途特化型のサーバーも拡充

 9〜10年前のAzureのサービス開始当初、CPUに6コアのAMD Opteron、32ギガバイトのメモリー、転送速度1ギガ/秒のネットワークカードを搭載した「Gen 2」と呼ばれる汎用サーバーでサービスを提供していた。その後、米インテルのXeonを搭載した「Gen 4」などCPUの世代が進むのに歩調を合わせながら、ユーザーのニーズに応えるべく1〜2年のサイクルで新しいサーバーを投入してきた。現在ではメモリー768ギガバイト、通信速度40Gbps/秒の「Gen 6」へとAzureの物理サーバーは進化を遂げている。

 「その間、より多くのリソースを求めるユーザー向けのハイスペックな『Godzilla』シリーズなども開発しています。さらに最近では、大規模データベースの運用ニーズに応える、メモリ12テラバイト、CPUにXeon Platinumの28コアを8個積んだ『Beast v2』というサーバーも提供しています」と宇田氏は紹介する。この他にも、ユーザーの高度なニーズに応える用途特化型のサーバーも用意している。

 同社では、ハードウエアの仕様も公開している。宇田氏は「マイクロソフトは、ハードウエア設計のオープンソース化を推進する組織であるOpen Compute Projectに参画しており、Azureを支える機器の仕様を公開しています。新しい世代のサーバーを、Azureにスピーディーに取り入れられるようにするための取り組みでもあります」と説明する。

Azureではハードウエアの仕様も公開している
設計書や仕様書をオープンソースにすることで、CPUなど新しい規格のパーツへの対応がスピーディーに行える
Azureではハードウエアの仕様も公開している
[画像のクリックで拡大表示]

データセンター/リージョン間通信を
自社のバックボーン回線で賄う

 前述のようにマイクロソフトは、世界各地域に54のリージョンを展開しているが、これに加えてネットワークの接続拠点となるエッジサイトを150以上有している。特にAzureの際立った特長が、データセンター間、リージョン間の通信が全てマイクロソフト自前のバックボーンネットワークで賄われていることだ。「言い換えれば、パケットがインターネットを流れることがないということであり、セキュリティーが担保された安全な通信を実現しています」と宇田氏は語る。

 Azureの各リージョンには、ネットワークの接続口となる「Regional Network Gateway」が2つ配備され、その配下にリージョン内の全てのデータセンターがつながっており、データセンター間の通信は全てこのゲートウエイを介して行われる。こうしたアーキテクチャーを採用することで、データセンター間を素早くつなげることができ、データセンターのスピーディーな増設を下支えしている。

 「お客様からよくお問い合わせいただくのが、仮想マシンのネットワーク帯域が保証されるかどうかというものです。これについてはSLA(サービスレベル合意書)等での保証こそありませんが、物理サーバー自体に通信速度40Gbps/秒ないし50Gbps/秒のインターフェースが実装されており、一般的な用途であれば帯域が足りなくなることはまずありません」と宇田氏は強調する。

 このようにAzureでは、データセンター、物理サーバー、ネットワークの各領域を中心にインフラの強化を継続的に行っている。ユーザーが安心してその多種多様なワークロードを委ねることができる、可用性と信頼性の高いインフラ基盤がAzureには整っているのだ。

 なお、去る2019年7月9日には、SQL Server 2008(R2)のサポートが終了し、さらに来る2020年1月14日には、Windows Server 2008(R2)がサポート終了を迎える。マイクロソフトでは、これら製品をAzure上で利用する場合、サポート終了後も3年間にわたり、セキュリティー更新プログラムを無償で提供するサービスを打ち出している。これらシステムの延命策としても、Azureへの移行は有効な手段となるはずだ。

お問い合わせ
  • 日本マイクロソフト株式会社

    サーバー移行などについてのご相談

    TEL:0120-39-8185 (9:00 ~ 17:30 土日祝日、日本マイクロソフトの指定休業日を除く)

    URL:https://www.microsoft.com/ja-jp/