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xTECH EXPO 2019レビュー

次世代デジタル開発技術で企業のDXを実現

NTTデータ

次世代システム開発技術により
企業のイノベーションを促進させる

NTTデータは企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するための次世代デジタル開発技術を通じて、既存ITシステムの課題解決を目指す。変化に対応する迅速なサービス提供が求められる中で、NTTデータは既存資産の最適化によるデジタルビジネスの変革を掲げる。

企業が直面する既存システムの
最大化、肥大化への対策は急務

木谷 強 氏
株式会社NTTデータ
取締役常務執行役員 技術戦略担当
技術革新統括本部長
木谷 強

 AIやIoTなどの先進技術により、オフィス業務や製造ラインが大きく変化しようとしている。システム開発領域のデジタル化は、どのような変革が生じているのだろうか。

 「経済産業省のDXレポートによると、DXに取り組まず、既存ITシステムをそのままにしておくと、維持管理コストが膨らみ、2025年の経済損失は年間約12兆円規模に達すると推計されています。また脆弱性を放置し、セキュリティ事故が起こった場合には、風評被害などコストだけでは測れない損害が生じる可能性があります。そして、大企業の既存I Tシステムでは、多くの個別システムが稼働し、連携すれば相互に価値を生み出す可能性があるデータも、活用されないままサイロ化し、重複作業が発生するなどの無駄が生じているのです」。こう話すのはNTTデータの木谷強氏だ。

 顧客が直面するこれらの課題を解決するためにNTTデータでは、既存ITシステムの欠点を解決する「既存資産の最適化・デジタル融合」と、ビジネスイノベーションを加速する「デジタルビジネスへの変革」という2つの柱で支援している。

既存資産の最適化と
デジタル融合のポイント

 既存資産の最適化・デジタル融合を行うためにはまず、デジタルアセスメントを行い、ビジネスにおける重要度と変更の頻度などシステム保守性に応じて、既存IT資産のうち最適化・デジタル融合が必要な箇所に基づき4種類に仕分け、対応策を明確化する。

 アセスメントの結果、ビジネス重要度とシステム保守性/変更の頻度がどちらも低い場合には「塩漬け」と判断され、機能の縮小やSLA(Service Level Agreement)の見直し、代替手段の検討、または廃止となる。

 システム保守性/変更の頻度が高い場合は、「クラウドへのマイグレーション/最適なクラウドの選択」により基盤刷新を図る。まずは既存環境の仮想化・コンテナ化を行ってクラウドへ移行することにより、ポータビリティを高める。そしてNTTデータは、導入から運用まで一元的に、クラウドコンサルティングを行って最適なプライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウドを組み合わせ、マルチクラウドやハイブリッドクラウドの安全な提供を実現することができる。事例としては金融機関向けハイブリッドクラウドを挙げた。フロント業務である窓口・受付業務にはAWSやAzureなどのパブリッククラウドを安心・安全に活用するためのソリューション「A-gate」を導入。また金融機関の共通業務においてはコミュニティクラウド「OpenCanvas」、基幹業務にはプライベートクラウドやオンプレミスを組み合わせて導入した。木谷氏は、「既存環境を仮想化・コンテナ化などによりクラウド上に展開する際は、個々の企業ニーズに合わせた使い分け、組み合わせが重要です」と指摘した。

 一方、ビジネスの重要性が高いシステムは、アプリケーションを改良する「アプリケーションモダナイズ」を行う。これは、ブラックボックス化した既存アプリケーションの機能仕様をコード変換などにより最適化したり、必要に応じてAPI 連携したりすることにより、他システムと有機的に連携し新しいビジネスやサービスを創出することができる。

 NTTデータでは、「OpenCanvas」において、APIゲートウェイを介して既存IT資産同士を連携し、新しいFintechサービスを創出するための「AnserParaSol」というプラットフォームを構築した。

 ビジネス重要性とシステムの保守性が共に高い場合は、「クラウドネイティブ/データ活用」を選択する。

 「クラウドネイティブ」に関しては、「スケールアウトできるクラウドへ移行する際は、アプリケーションやDBをどのくらいの粒度に切り出してコンテナ化するか、API連携するマイクロサービス化にどのようなステップで移行するかが重要です」と木谷氏。

 そして「データ活用」の事例では、1つめに業務データを利用したNTTデータの取り組みを紹介した。セキュリティゲートにおける入退館データや利用する業務アプリなどに記録されたデータを収集・分析し、働き方の改善提案や労務の適正化を進めている。また、トヨタ自動車とNTTグループが共同で進める持続可能なスマートモビリティ社会に向けたTOYOTA Connected Carの実証実験では、NTTデータがデータの収集・蓄積・分析基盤をクラウド上に構築している。

デジタルアセスメント
ビジネスにおける重要度などシステム保守性に応じて既存IT資産を4分類し、対応策を明確化
デジタルアセスメント
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新規開発時は絶好の機会
デジタルビジネスへの変革

 新たなビジネスを創出するイノベーションを支えるために、システム開発のスピードが求められている。木谷氏は、ビジネスを創出するためのシステム開発において、「大規模Agile・DevOps」「Low-Code開発」「サービスデザイン」がポイントだという。

 木谷氏はNTTデータでの事例として、100人以上のシステム開発体制で、複数の接続先事業者向けの開発を並行し、コード決済サービスの提供を半年で実現した「Digital CAFIS」の取り組みを紹介した。大規模システム開発においてAgile開発を適用する場合、システム開発だけでなく場所・人・組織など総合的な観点で、人材育成やチームに対する定着率向上、組織運営の取り組みを実施している。

 さらにAgile開発と親和性が高いLow-Code開発では、人材不足やアプリケーションの高速開発の要望にも対応しているという。

 サービスデザインにおいては、ビジネス・デザイン・技術の3つの観点から、ユーザーにとって使いやすい新規サービス創出のための方法論と、ユーザー視点を取り入れるためのスタジオ空間の提供などに取り組んでいる。イタリアのVodafoneが立ち上げた新ブランド「ho.mobile」では、NTTデータが協力し、ユーザーのペルソナ分析、ジャーニーマップ作製、プロトタイピングおよびテストを実施。「旅行先のイタリアの市街に設置したキオスク端末で携帯電話をアクティベートできるサービスを8カ月間で開発しました。稼働後は売り上げや顧客満足度など当初の予想を上回る結果になりました」(木谷氏)

 次世代デジタル開発技術による既存ITシステムの課題を解決し、迅速なサービス提供することで企業のDXを実現する。

DXを実現するための次世代デジタル開発技術
次世代デジタル開発技術により企業のDXを実現する
DXを実現するための次世代デジタル開発技術
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