未来の自律動作型システムへ、安全機能を拡充

車載と産業機器の中枢へ
Armが投入する
新たな3種のプロセッサ

Arm(アーム)は、車載および産業機器に向けて新たに3種のプロセッサIPを投入した。CPUの「Arm Cortex-A78AE」、GPUの「Arm Mali-G78AE」、ISP(画像信号処理)の「Arm Mali-C71AE」だ。これらはいずれも自律動作型システムの実現に欠かせない性能と安全性を高レベルで両立し、車載や産業機器の多種多様な用途に柔軟に対応する機能を搭載する。

クルマに続き産業機器も
自律動作型システムに進化

 ADAS機能を搭載したクルマは、もはや珍しくはなくなった。そして、多くの自動運転車が世界中の道を走る時代がすぐそこまでやって来ている。カメラやセンサーなどから得たデータを基に走行環境の状況を把握し、安全な操縦に向けた判断を的確に下す能力を持つ自律動作型システムは、実用化に向けて確実に進化している。

 こうした自律動作型システムの応用はクルマだけにとどまらない。工場の生産ラインや産業プラント、社会インフラなどを構成する産業機器も、自律動作するシステムへと進化しつつある。

 製造装置の稼働状況に合わせた製造条件の調整、消費の需要動向に合わせた生産品目・生産量の変更、自然災害など突発的な出来事への対処など、産業機器を効果的かつ効率的に運用するためにすべきことは多い。ただし、その多くは人手によって行われている。産業機器を自律動作型システムへと進化させることができれば、さらに高度な運用が可能になり、作業者はより高付加価値な業務に注力できるようになる。

 自動運転車と産業機器の中枢部となる自律動作型システムは、利用シーンこそ違うが、求められる技術要件に共通点が多い。まず、機械の動作環境の状況を正確に把握し、適切な判断を下すためのコンピューティング・パワーが必要だ。同時に、機械と人間が共存しても、安全に運用できるように機能安全が欠かせない。さらに、高レベルのセキュリティを確保し、高いエネルギー効率で処理を実行できるコンピューティング・ソリューションが必要な点も共通している。

 Armのオートモーティブ/IoT事業部門バイスプレジデントであるチェット・バブラ(Chet Babla)氏は、「これまでArmは、車載向けに特化したIPとしてAEシリーズを開発・提供してきました。その性能と安全性は、産業機器向けのSoCを開発・提供しているパートナーからも高く評価いただいています。そこでAEのラインナップを再定義し、車載に加えて新たに産業機器もアプリケーションのターゲットに含めました」とし、時代の要請に応える新たなCPU、GPU、ISPの新たなIPを投入した。それぞれの詳細を見ていきたい。