放射線医学と画像診断の進歩・発展をミッションとする日本医学放射線学会は、ビッグデータやAIなどを利活用した医療構造改革の基盤となる「画像診断ナショナルデータベース(J-MID)」をオンプレミスからクラウドへと移行を検討している。
クラウドの導入効果の検証はこれからだが、既にコストや柔軟性といった観点から、様々な手応えをつかみつつあるという。さらにクラウド基盤を使った実証実験も行われている。その1つが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎CT画像のAI解析手法の開発だ。
具体的には、AIにCT画像を入力すると、そのCT画像のCOVID-19肺炎典型度を高い確率で判定できる手法を開発。今後このAIをCT装置に実装できるようになれば、患者が無症状のままCT撮影した場合でも、撮影直後に「感染疑い」のアラートが出され、ほかの患者とのゾーニングやCT装置の消毒などで、スピーディーに院内感染の予防につなげる施策が展開できるという。
こうした新しい取り組みをはじめ、医療データのクラウド化がもたらすメリットと今後の可能性について、J-MIDシステムの構築を推進したキーパーソンに話を聞いた。