「空の移動革命」に応える シーメンスのデジタル・ツインによるイノベーションとは

「空飛ぶクルマ」など新たなモビリティー時代到来の兆しがある中、航空機産業を取り巻く環境は急速に変化している。さらなる競争の激化が予測される航空機業界にソリューションを提供してきたシーメンスは、機体やメカトロニクスをコンピューター上にバーチャルに構築する「デジタル・ツイン」での開発を提唱する。競争力向上と信頼性の高い航空機の実現を支援する、シーメンスのデジタル・ツインによるイノベーションに迫る。

「空の移動革命」で求められる勝ち抜くための取り組み

大型旅客機を中心に発展してきた航空機産業に大きな変革が訪れている。最大の波は「空飛ぶクルマ」の登場だ。ドローンの有人版とも言える垂直離着陸型の「eVTOL」を主体にしたUAM(アーバンエアモビリティー)と呼ばれる新たなモビリティーが、早ければ2020年代半ばにも実用化される見通しだ。この流れは、航空機とは縁のなかった自動車メーカーや電機メーカーの他、ベンチャーを含む多くの企業にとっても参入のチャンスとなっている。

航空機産業の変革はUAMにとどまらない。温室効果ガス(主にCO2)の排出規制の厳格化を背景に、ハイブリッド駆動や完全電動化に向けた開発も進んでいる。また、小型機をよりパーソナルにした軽量スポーツ機「LSA(Light Sports Aircraft)」という新しいセグメントも登場するなど、競争の激化は今後も加速度的に進んでいくことだろう。

これらを背景に、より早い製品開発と激化する競争、規則の厳格化に対応する能力が企業に求められる。開発スケジュールの遅延やパフォーマンスの低い航空機の開発は企業の未来を左右するのだ。

機体の安全性や信頼性を高める
デジタル・ツイン

新たなモビリティーには可能性があるものの、eVTOLといえども機体や制御システムの安全性や信頼性は人命に直結するため、徹底したテストや品質管理がきわめて重要だ。また、航空機に関する様々な規制、安全規格、認証などへの対応も必要になる。既存の航空機における開発においても、こういった課題に最速で対応していくことが激化する競争を勝ち抜いていく上で重要と言えるだろう。

そうした背景の中、航空機業界で数多くの実績を持つシーメンスは、コンサルティングやツールソリューションを通じて、航空機産業をはじめ、新たなモビリティーの実現に向けた機体開発もサポートしていく考えだ。

ポイントとなるのが、コンセプト設計、システム設計、詳細設計(解析)、検証、実際の利用などの一連のプロセスを、コンピューターの中の情報と物理的なモノとをつなげながら進めていく「デジタル・ツイン」である(図1)。

航空機メーカーでの実績も交えながら、シーメンスの提唱するデジタル・ツインによるソリューションを見ていこう。

図:開発、設計、生産、利用

図1:機体やメカトロニクスをコンピューター上にバーチャルに再現し、コンセプト開発、設計、生産、利用のすべてのフェーズの効率化や価値向上を図る「デジタル・ツイン」

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シーメンスの提唱するデジタル・ツインとは?

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