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スタートアップと事業シナジーを創出する

50カ国以上でビジネスを展開するグローバルなオープンイノベーションチーム「アクセンチュア・ベンチャーズ」。スタートアップエコシステムとクライアントの架け橋となり、イノベーションと成長を加速させる。

オープンイノベーションは
成果を求められる時代に

槇 隆広 氏
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア・ベンチャーズ日本統括
マネジング・ディレクター
槇 隆広 氏
クライアント企業のDX企画・実行において、テクノロジーパートナーやスタートアップと連携し、サービス設計~テクノロジー選定・評価~PoC~商用化を主導。

 「大企業がスタートアップと共に進めるオープンイノベーションは、日本でも、試験的に取り組む段階から、具体的かつ着実な事業シナジーを求められる段階に移っています」

 そう話すのは槇 隆広氏。アクセンチュアの社内横断的な組織であるアクセンチュア・ベンチャーズ(以下、ACV)の日本統括だ。

 ACVは、アクセンチュアが世界50カ国以上で展開する、オープンイノベーションによる事業創出とエコシステムの構築を支援する専門家集団だ。世界各国の大企業とスタートアップをつなぎ、2021年上半期だけでも350程度のプロジェクトを推進している。スタートアップへの理解や知見の深さやネットワークの豊かさを活かして活躍するメンバーは全世界でおよそ900名。

 アクセラレーターやベンチャー・キャピタルに代表されるパートナーは50を超え、連携するスタートアップの数も5000以上という大きなネットワークが形成されている。また、地方自治体におけるスタートアップ育成の支援や、大学などの教育機関との連携を通じて、スタートアップエコステムの形成・活性化に取り組んできた。

アクセンチュア・ベンチャーズのプロフィール
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マッチングだけで終わらせず
事業シナジー創出まで伴走

 この規模も魅力だが、ACVの最大の強みは、ビジネスアウトカムの創出まで伴走しきる底力にある。

 大企業とスタートアップのマッチング支援を標榜する組織は他にもある。しかしACVにとってマッチングは取り組みの一部に過ぎない。

 ACVは常日頃から、ACVが主体となって形成する外部ネットワークに加え、ACV内のネットワークから、独自にスタートアップの持つ技術やサービスなどの情報を一元的に集約し、様々な切り口で分類や評価をしてスタートアップ・データベースにストックしている。クライアント企業からスタートアップとの協業のニーズが寄せられたときには、そのデータベースをもとにマッチングを行い、投資判断、最適な協業スキームの構築やPoCの計画立案や実行、事業化までを精力的に支援する。

 「我々のクライアント企業の中には、CVCを設置してスタートアップを探し事業シナジーを創出しようとされているところもあります。しかし、自社で独力で取り組むことへの限界を感じられているケースも多いのではないでしょうか。ぜひ、私たちのネットワークとオープンイノベーション・フレームワークをご活用いただきたいと考えています」(槇氏)

 一方、スタートアップに対しては、技術やサービスを商用化するまでの道のりで必要なプレゼンテーションスキルをコーチングしたり、専門家によるメンタリングを提供したりと、きめ細かなサポートも提供している。

 スタートアップの支援方法と対象は拡大中だ。

 「先進的な技術やスキルを持つスタートアップについては、少額投資を実施しており、30社を超すスタートアップに投資済みです。また、数年前まではシリーズB(ビジネスが軌道に乗った段階のスタートアップ)との協業が中心でしたが、より早い段階から将来性のあるスタートアップを発掘していこうということで、〝プロジェクト・スポットライト〞という取り組みをスタートし、シード(創業後、サービスリリースをする前の段階)やシリーズA(サービスリリース後の段階)も支援の対象に加えました。このプロジェクトに参画するスタートアップは、投資面・技術面での支援を得られるだけでなく、アクセンチュアが世界各地で展開しているイノベーション・ハブやラボ、リキッド・スタジオなどの拠点を使い、効率よくスピーディに大企業との協業を推進できます」(槇氏)

 こうした取り組みはすでに、いくつもの実を結んでいる。コロナによって発生した失業者に対するリスキル・再雇用のマッチングや、大規模イベントのオンライン化、AIとロボットの融合による自動化などの領域で多くの成果を生んできた。

アクセンチュア・ベンチャーズの取り組みの全体像
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多様な価値観を内包する組織が
多様なスタートアップを支える

林 智彦 氏
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア・ベンチャーズ
プリンシパル・ディレクター
林 智彦 氏
企業の事業開発やオープンイノベーションをリード。クリエイティブ会社経営、ロボットスタートアップ、博報堂を経て現職。SXSW、カンヌライオンズなど受賞・審査多数。

 アクセンチュアでは、同社を〝卒業〞後、起業したりスタートアップの経営に参画したりする人も少なくない。こうした文化が根付いていることは、スタートアップ特有のニーズや悩みを理解するのを助けるほか、スタートアップとのネットワークを強固なものにする上でも役立っている。

 スタートアップからアクセンチュアに転じた林 智彦氏は、同社には多様性を理解する土壌があると強く実感している。

 「人種や性別、性的指向や性自認にとらわれることなく働ける環境が整っています。スタートアップもみなユニークですが、私たちなら、それぞれの個性を活かしたまま、新しい技術やサービス、さらには働き方もクライアント企業にインストールする支援ができると自負しています」

 槇氏も、スタートアップとの協業は、クライアント企業の変革にも波及すると話す。

 「DXの起爆剤にもなり得ます。伝統的な企業に根付いた働き方も文化も、スタートアップと深く関わることで、短期間のうちに、これからの時代に求められるものへとアップデートできるからです。ACVは今後も、クライアント企業とスタートアップの架け橋となり、継続的にオープンイノベーションを支援していきます」

 これから世の中をあっと言わせるオープンイノベーションやDXの陰にも、ACVの存在がある。

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