日経クロステック Special

アナログで未来を創る ─多彩なソリューションでエレクトロニクスを支える─  LANケーブル一本で最大90Wの電力を機器に給電ハイパワー版PoEである「LTPoE++」の採用が広がる

Ethernetケーブルを介してデータ通信と電力供給を同時に行う「PoE」(Power over Ethernet)のハイパワー版がアナログ・デバイセズ開発の「LTPoE++」だ。最大90Wもの給電が可能というメリットを生かし、サーベイランスシステム、IoTネットワーク、LED照明などにアプリケーションが広がっている。

 一般的なEthernetケーブルを使ってデータ通信と電力供給を同時に行うPoE(Power over Ethernet)の応用が広がっている。サーベイランスカメラ(IPカメラ)、IP電話、IoTのセンサーノードおよびゲートウェイ、LED照明やライティング、ビルマネージメントシステム(BEMS)、無線アクセスポイントなどの接続が主なアプリケーションだ。

澤田 氏
松田 茂
アナログ・デバイセズ株式会社
日本リージョンセールスグループ
ディレクター

 「ネットワークに接続されている機器や装置に対して別配線で電源を供給しなくても済むため、敷設や施工のコスト削減が図れるとともに、据え付けの自由度も高まります。電源の確保が難しいところでも、LANケーブルさえ届けば、消費電力が数十Wを超える機器も設置することができます」と、PoEソリューションを展開するアナログ・デバイセズの松田 茂氏は述べる。

 普及を後押ししているのがハイパワー化だ。PoEが登場した当初(IEEE 802.3af)は給電可能な電力は受電側で最大13Wと小さく、駆動できる機器も限られていたが、ハイパワー化を求める市場ニーズに応えて、受電側で利用できる電力を最大25.5Wに高めた「PoE+」(IEEE 802.3at)が策定された。さらに2018年には、受電側電力を71.3Wにまで高めた「PoE++」(IEEE 802.3bt)も規格化された。

 PoE対応ソリューションを数多く手がけてきたアナログ・デバイセズでは、PoE++(802.3bt)が標準化される以前から、最大90Wの電力が利用できる独自の「LTPoE++」(図1)を開発し、ハイパワー化のニーズに応えてきた。また、2017年には、業界トップレベルとなる最大123Wを利用可能なUltraPWRモードもサポートしている。

LTPoE++の利点:シンプルで簡単

LTPoE++の利点
図1カテゴリー5e以上のEthernetケーブルを介して最大90Wを給電できる「LTPoE++」

 併せて、802.3btのワーキンググループに参加して標準化に取り組むとともに、規格がリリースされた2018年には802.3bt対応のソリューションの提供をいち早く開始している。

 次ページからは、まずPoEの概要について説明し、続いてハイパワーPoE機器の開発に最適なLTPoE++のソリューションについて紹介しよう。