日経クロステック Special

アナログで未来を創る ─多彩なソリューションでエレクトロニクスを支える─  Vol.6 バッテリ残容量を測るクーロン・カウンターで走行中や充電中もSoCを高精度に推定

EVやPHEVにおけるバッテリ制御の高度化ニーズに応え、アナログ・デバイセズでは、バッテリ残容量(SoC)の高精度な推定をサポートするセル電圧計測ソリューションおよびクーロン・カウンティング(電流積算)ソリューションを展開している。とくに後者は1000Aオーダーのバッテリ電流を18ビットの精度で計測できるのが特長だ。すでに市販車への搭載が決まっている。

 電気自動車(EV/BEV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHV)で、メインの大容量バッテリの制御を担うのがバッテリ・マネージメント・システム(BMS)だ。主な機能は次の4つである(すべてを備えていない場合もある)。

(a) 充電制御や航続可能距離の算出に必要な充電状態(SoC:State of Charge)の推定
(b) バッテリの劣化度合いを表すSoH(State of Health)の推定
(c) セル間のSoCのアンバランスを解消するセル・バランシング制御
(d) 温度、電圧、電流などのモニタリングと異常時の保護

 このうち、

SoC(%)=残容量(Ah)/満充電容量(Ah)×100

によって示される(a)項のSoCは、バッテリの安全性の維持や劣化の防止を図る上できわめて重要な情報であり、その推定はBMSの大きな役割のひとつと言える(図1)。

 ただしSoCそのものを直接計測することはできないため、セル電圧、電荷量(電流の出入り)、バッテリ温度、劣化度合い((b)項のSoH)などのパラメータを組み合わせながら、等価モデルやカルマン・フィルターなどの手法を駆使して算出され、そのアルゴリズムはバッテリ・サプライヤーや自動車メーカーのノウハウの塊となっている(セル電圧とセル温度だけから簡易的に求める手法もある)。

 セル電圧や電荷量はSoC算出の基礎となる情報で、できるだけ高い精度で計測した方が望ましい。測定誤差が大きければ、推定におけるマージンを大きめに見込まなければならず、利用できるバッテリの実効容量が減ってしまうからだ。

 そこで、クーロン・カウンティング法を中心に、高精度な測定ソリューションを紹介しよう。

図1バッテリの残容量表示、航続可能距離の算出、充電制御などに不可欠なSoC(図はイメージ)