日経クロステック Special

新常態に対応する「真のデジタル変革」とは? デジタルプラットフォームが不確実性への適応力を高める

コロナ禍の影響でビジネスの不確実性はますます高まっている。新常態に対応して企業が取り組むべき「真のデジタル変革(DX)」とは何か? IT調査・コンサルティング会社、アイ・ティ・アールの浅利浩一氏と、ERPをはじめとする多彩なSaaSを提供する日本オラクルの中島 透氏、鳥越浩司氏が語った。

不確実性の時代に求められる
システムのあり方とは?

浅利 氏
アイ・ティ・アール
プリンシパル・アナリスト
浅利 浩一
国内製造業で、生産、販売、調達、物流、会計、人事・給与、製造現場/工程システムなど、エンタープライズ全領域のアプリケーション構築に携わる。2002年より現職。現在は、ERPを中核としたエンタープライズシステム全般、SCM、PLMを担当。

 「ビジネスのデジタルシフトは、コロナ禍を契機に一気に加速しています。予測できない不確実性を乗り越え、新常態に適応していくためには、『全周期』『全過程』『全兆候』でデジタルデータを有効活用できるように、旧来のシステムを脱構築する必要があります」

 そう語るのは、IT調査・コンサルティング会社、アイ・ティ・アールのプリンシパル・アナリストの浅利浩一氏である。

 『全周期』とは、バリューチェーンや顧客とのタッチポイントであるエクスペリエンスチェーンのすべてのサイクル。『全過程』とはエンド・トゥ・エンドの業務プロセスや意思決定。『全兆候』とは、サイバーとフィジカルの双方における顧客動向や市場ニーズの変化のことである。

 「これらを1つのデジタルプラットフォームで管理し、分析から洞察、アクションに至るまでのすべてを自動で回せるようにすることが、変化を速やかにとらえ、適切な打ち手を先んじて講じていくためには不可欠です」と浅利氏は指摘する。

 そこで求められるのが、既存のシステムを「再構築」するのではなく、「脱構築」するという発想だ。

 「レガシーなインフラをクラウドに刷新し、スマートフォンに適応するUIを導入したとしても、エンタープライズシステムの構造・骨格が旧来のままでは、業務効率化の域から抜け出すことはできません。不確実性に対応しながら速やかに打ち手を変えていくためには、前例にとらわれないシステムに脱構築する必要があるのです」(浅利氏)

 次のページでは、既存のシステムを「脱構築」するための方向性について見ていこう。