日経クロステック Special

ソフトウェア資産管理はIT部門の仕事ではない 管理に追われる「守りのIT」から経営戦略を支える「攻めのIT」へ

ビジネス基盤としてのクラウドやAIの利用、リモートワークの普及によるオンライン会議の利用増加などで企業のソフトウェアの量は増え続けている。その結果、ソフトウェア資産は肥大化、複雑化し、その管理には膨大な作業が必要となっているだけでなく、ライセンス違反による不用意な追加コストが発生するなど、もはや人手による管理には限界が近づいている。IT部門の負担を減らし、企業の成長に資するソフトウェア活用には何が必要か。

半数の企業がライセンス監査を経験
あなたの会社は正しく管理できているか?

三浦 氏
ServiceNow Japan合同会社
ソリューションセールス統括本部
ITオペレーションマネージメント事業部
シニアソリューションセールス
三浦 かなこ
日本オラクルでDBコンサルタント、コンサルティングサービスの営業を経て、日本マイクロソフトでカスタマーサクセスマネージャーなどを担当。2020年6月よりServiceNow Japan入社。コンサルティング経験を生かし、同社のIT管理ソリューション群の営業に従事。

 業務のデジタル化が進み、使用するソフトウェアの数は日増しに増えている。同時に、そのライセンス形態も複雑になり企業のIT部門はその管理に追われている。従来はスプレッドシートでの管理が行われてきたが、人の手で管理するのはもはや限界に近づいている。

 ソフトウェア資産管理をはじめ、企業向けにクラウド型のデジタルプラットフォームを提供するServiceNow Japanの三浦かなこ氏は、企業のソフトウェア資産管理が
「ライセンス違反による財務リスクの回避」
「不要なライセンスコストの削減」
「バージョン管理、適切なアップグレードの計画」
「ソフトウェア資産管理のための運用工数削減」
といった4つの課題に直面していると説明する。

 「このうち最もインパクトが大きいのが、ライセンス違反による財務リスクです。これは、企業が購入しているライセンス数以上使っている状態が発覚し、追加のライセンス費用を支払わなければいけなくなる事態です」(三浦氏)

 なぜそのようなことが起きるのか。現状、多くのベンダーのソフトウェアでは、契約したライセンス数を超えても利用できる仕様になっており、ユーザーが知らずにライセンス数以上に利用してしまうことが原因のようだ。

 「ある日突然ライセンス監査を受け不正が見つかると、過去数年の超過分にさかのぼって追加請求されることもあります。企業はそれを支払うためにIT予算外の費用を計上しなければいけなくなるのです」(三浦氏)

 ベンダーが提供しているソフトウェアは「著作物」であり、その著作権は「著作権法」によって保護されている。そのため、ライセンス監査によって企業に不正が発覚した場合、ライセンスの追加購入や和解金などの総額が数億円に上るケースも珍しくない。当然だが、大企業ほど違反があった場合のライセンス費用は高額になり、財務的な影響が大きくなることが予想される。

 逆に、実際には使っていないライセンスコストの負担も課題だ。最初は全社員均等にライセンスを配ったものの、その後に使っているのかどうかを把握できず、多数の「休眠アカウント」の費用を払い続けるケースが出ている。

 また、各ソフトウェアのバージョン管理も大きな問題となる。ソフトウェアは基本的に新しいバージョンを使用するべきだが、企業の場合、新バージョンを即座に導入することは難しい。機能やUIの変更への対処や、他のシステムへの影響がないかも確認しなければいけないからだ。そもそも、どのシステムでいつのバージョンを使っているかを把握できていないと、バージョンアップ作業に対する予算と体制の確保もできない。

 だが、これらの問題を解決するために、ソフトウェアの管理と運用を手作業で行おうとすると、膨大な工数がかかり、コストが発生することになる。企業を成長させるためのデジタル化が、かえって企業経営の足を引っ張ることになりかねないのである。ソフトウェア資産管理の自動化は、もはや企業にとって避けられない重要課題だ。

 では、企業はどうやってソフトウェア資産の管理を実行していけばいいのか。次ページ以降で、具体的なソリューションと、多額のコスト削減を実現させた導入効果を紹介する。

ソフトウェア資産管理が求められる理由

ソフトウェア資産管理が求められる理由
ソフトウェア資産管理はいまや財務リスクや業務停滞をもたらすリスクとなっている。とくに大企業にとっては、1のライセンス違反への対策が重要な課題である。