日経クロステック Special

開発者不足という課題をチャンスに変える。 誰でも開発できる環境が企業のデジタル化を支えていく

デジタル化の進展によって業務アプリケーションのニーズは急拡大しており、開発者不足が深刻な問題となっている。その解決策として、業務部門の社員がプログラミングなしでアプリケーションを開発する「市民開発」に注目が集まる。市民開発とは何か? また本当に技術者でなくてもアプリケーションを開発できるのか? 動画を交えてその実力を検証する。

圧倒的に不足するIT人材を救う
「市民開発」とは何か

金井 氏
ServiceNow Japan合同会社
プラットフォーム事業部
シニアソリューションコンサルタント
金井 盛隆
日本オラクル、ペガジャパンでプリセールスエンジニアとして活動した後、2019年10月より現職。戦略的イニシアチブや海外部門との協業など、プリセールスエンジニアの枠を超えた活動を一貫して行っている。

 2020年から続く新型コロナウイルス感染症の拡大によって、多くの企業で在宅勤務が続いている。業務はすべてネットワーク上で行われ、仕事は様々な業務アプリケーションの中で進行している。今ほど、IT、アプリケーションの必要性を痛感したことはないだろう。

 なぜこれほどまでにアプリケーションの利用が増えているのか。ServiceNow Japanの金井盛隆氏は、「根本的に業務がデジタル化してきたことに加え、いわゆるデジタルネイティブ世代が社会人になり、従来の企業のシステムやアプリケーションがあまりに不便であることが顕在化してきているからです」と語る。

 だが、その半面、アプリケーションが必要であるというニーズに対して、開発側の体制はまったく追いついていない。米国では、数百万人のIT技術者が不足していると言われており、日本も同様である。企業が業務システム開発を委託するシステム開発会社だけでなく、社内のIT開発者も圧倒的に不足している。

 このままでは業務に必要なアプリケーションを用意することができず、企業のデジタル変革は遅々として進まない状況に陥ってしまう。今すぐに、アプリケーション開発体制の考え方を根本的に変える必要がある。

加藤 氏
ServiceNow Japan合同会社
プラットフォーム事業部 事業部長
加藤 確
日本マイクロソフトにてEvangelism Manager、開発ツールビジネス責任者を歴任。その後、Pivotalジャパンを経て、2019年1月より現職。十数年にわたり一貫してプラットフォームビジネスに関わる。

 「IT開発者の生産性向上はもちろん必要ですが、それだけでは追いつきません。視点を変えて、IT技術者以外の人による開発、いわゆる『市民開発』を採用する企業が急増しています。そして、市民開発を実現する基盤として、プログラミング不要な『ノーコード』のソリューションが注目されているのです」と語るのは、同社の加藤確氏だ。

 市民開発とは、ITの専門知識がないビジネス部門の社員による、現場のニーズに直接応えるアプリケーション開発のことだ。だが、エクセルのマクロのように、これまでごく小規模なメンバー間で共有してきたものではなく、社内で広く共有できるアプリケーションを開発することを指す。

 もちろん、市民開発者はプログラマーではないので、プログラムコードを書くことができない。そのためノーコードツールを用いて、業務のプロセスをそのままアプリケーションに仕立てる手法が注目されている。

 下に示した動画はその一例である、ServiceNowによるアプリケーション開発画面だ。エクセルのファイルを読み込むと、その行と列のデータを自動的に分けて、データベースに格納する。市民開発者は、そこから各データを取り出したり、計算したりする手順を組み立てて、業務フローを作ることができる。

 このように簡単に既存の業務プロセスをアプリケーションに変換できるのが、ServiceNowの特徴である。導入方法や、アプリーション構築の詳細デモは、次のページ以降で詳しく紹介していこう。

ServiceNowによるアプリケーション開発画面

ServiceNowのNow Platform®にエクセルのデータを取り込む操作のデモ。値だけでなく、データの種類なども自動判定していることが分かる。面倒なデータモデル定義をスピーディーに実行することができる。