日経クロステック Special

クルマの未来を設計する Vol.2 量産車への採用が進むA2BとC2B 音や映像を伝えるハーネスを より軽量に、より低コストに

電子化と電動化が進むクルマで課題となっているハーネスの肥大化に対して、アナログ・デバイセズは、スピーカー、マイク、およびカメラの信号を軽量で安価な非シールド・ツイストペアケーブルで伝送するテクノロジーを開発した。オーディオ用の「A2B®(Automotive Audio Bus)」とカメラ用の「C2B™(Car Camera Bus)」で、いずれも量産車への採用が進みつつある状況だ。(本文中の内容、肩書は2021年8月時点のものです)

宮下 一雅

アナログ・デバイセズ株式会社
オートモーティブ ストラテジック アカウント
キーアカウントマネージャー

宮下 一雅

クルマの電子化が進むにつれて、1台のクルマに搭載される電子部品やセンサーの個数は右肩上がりに増加を続けている。それと同時に増えているのが、ECU、センサー、アクチュエータなどを結ぶ信号ケーブルと、各部に電源を供給する電源ケーブルとで構成されるハーネスだ。車種やグレードにもよるが、ハーネスのすべてのケーブルを合計すると長さは数kmに達し、総重量は数十kgに及ぶ。

「クルマ1台あたりのハーネスの使用量は2017年頃から急激に増加しています。その背景には、ADAS、テレマティックス、インフォテインメントなどの普及と進化があると考えられます」と、アナログ・デバイセズで車載ソリューションを担当する宮下一雅氏は説明する。

ハーネスの増加はさまざまな課題を招く。重くなれば燃費や電費を悪化させ、ケーブル本数が増えればコストが上がり、車体への配策(敷設)に要する労務費やTACTタイムも大きくなる。

ハーネスの重量やコストを削減したいという自動車業界のニーズに着目し、アナログ・デバイセズが開発したのが、オーディオ信号とカメラ映像信号の伝送に必要なケーブルをそれぞれ大幅に削減する「A2B」と「C2B」だ。