先進の技術で産業界をリードするアナログ・デバイセズ Vol.1 CC-Link協会と語る産業用オープンネットワークの未来 工場DXの切り札となるTSN技術 広がるエコシステムが普及を加速

Ethernet TSN(Time-Sensitive Networking)技術をベースに開発された産業用オープンネットワーク「CC-Link IE TSN」。時刻同期による高精度なモーション制御や正確なタイムスタンプに基づくデータ収集の実現などで産業界の期待も高い。推進役のCC-Link協会(以下、CLPA)で事務局長を務める濱口学氏と、アナログ・デバイセズの産業用オートメーション向けソリューション事業部を統括するFiona Treacy(フィオナ・トレイシー)氏に展望を聞いた。
一般社団法人CC-Link協会 事務局長 濱口 学氏/アナログ・デバイセズ サステナブル オートメーション マネージング ダイレクター Fiona Treacy氏

──工場やプラントで使用される産業用ネットワークのトレンドや進化について説明してください。

濱口 産業用ネットワークは、時代とともに進化しながら工場やプラントのスマート化を支えてきました。

 大量生産から多品種少量生産に切り替わった1990年代に登場したのが、コントローラやアクチュエータなどをシリアル通信で接続するフィールドバスです。CC-Linkもその一つであり、2000年にはCC-Linkの普及を目的にCLPAが設立されました。その後、2000年代半ばになると、IoTの登場も一因に、より大きなデータを送りたいというニーズが高まりを見せ、産業用Ethernetが普及していきます。

 そして現在、さらなる変革を進めるために産業界で注目されているのがEthernet TSNです。TSNは高精度なリアルタイム性や同期通信を実現する技術であり、標準Ethernetの拡張として国際規格のIEEE 802.1ASやIEEE 802.1Qbvなどで規定されています。高度なモーション制御の実現、正確なタイムスタンプによるデータ収集、ネットワークの統合など、多くのメリットをもたらすと期待されています。

Treacy AIによるデータ分析、生成AIを搭載したヒューマノイド型ロボット、Cobot、モバイルロボットの導入、工場を仮想的に再現するデジタルツイン、さらには制御システムの機能をソフトウエアによって柔軟に変更するソフトウエア・デファインド化など、産業界ではさまざまなイノベーションが進められています。とくにロボットに関しては、複数のロボットや複数の関節を高精度に同期しながら動かさなければなりません。高精度な時刻同期を特長とするTSN技術は、そうしたイノベーションに最適なネットワークと言えるでしょう。