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人手不足対策に直ぐ効く!働き方改革とは

労働力人口の減少に歯止めがかからず、あらゆる産業で人手不足が深刻化している。この課題解決を目指し、多くの企業が働き方改革を重要な経営課題に位置付け、取り組みを開始している。しかし、着実に成果を上げている企業はまだ一部にすぎない。そうしたなかで日経トップリーダーは、2019年4月16日、札幌にて「人手不足対策に直ぐ効く!『攻めの経営講座』」を開催。「生産性を上げる働き方改革」をキーテーマとし、IT活用を中心とする有益なヒントが示された。

日経BP総研フェロー
桔梗原 富夫

 日本の生産年齢人口(15歳から64歳の人口)は、2017年に7596万人だったが、2030年には6875万人に激減すると予想されている。一方、新規大卒者の3年以内の離職率は3割を超えているのが実情だ。介護離職もこの10年で2倍近くに増加した。基調講演に登壇した日経BP総研 フェローの桔梗原富夫は、「どんな統計調査を見ても、今後わが国の労働力人口が増える見込みはなく、働き方改革は“待ったなし”です」と訴えた。

 ただ、その道は容易ではない。少ない労働力で現在の経済水準を維持するには労働生産性を高めるしかないが、日本の生産性は先進7カ国中で最下位なのが現実だ。

 また、働き方改革に乗り出す企業の割合こそ大きく上昇したが、半数近い社員がその取り組みに不満を持っている。たとえば残業をなくすために強制退社命令を出している企業があるが、持ち帰り残業をしていたり、残業時間減のしわ寄せが管理職に集中していたりするケースは多い。「本質的な問題を放置したまま、形だけの働き方改革を行っても社員はしらけるだけで、負のスパイラルに陥ってしまいます」と桔梗原は憂慮を示した。

改革を成功に導くにはITが必須

 企業成長に結びつく働き方改革を進めていくためには、「長時間労働を是正する『働きやすさ』と、従業員のエンゲージメントを高める『働きがい』の創出を両軸で考え、推進していくことが重要です」と桔梗原は説いた。

 そうしたなかでの鍵を握るのがITだ。わが国のGDPはここ25年間にわたってほぼ横ばいだが、その間に米国のGDPは1.6倍に増大しており、両国の格差は拡大の一途をたどっている。桔梗原は、その格差がIT投資の差と一致していることを示し、「労働生産性の向上にはIT活用が必須です」と語った。実際、日本の中小企業でもITを効果的に活用し、「残業ゼロで連続増収」のところがあると事例を紹介した。ただし、IT導入自体が目的化してしまうと失敗するので、その点は注意が必要だ。

経営サイドと従業員のギャップを埋め、限りある労働力を最大限に活用するために何が必要だろうか。その中心的な施策として注目されているのがテレワークである。最新ITを有効活用することで、場所や時間、デバイスにとらわれない柔軟な働き方が可能となる。

株式会社富士通マーケティング
商品戦略推進本部
ソリューションビジネス推進統括部
ソリューション推進部
部長
田中 良和 氏

 育児や介護をはじめ、多様な背景や価値観をもった社員が今後ますます増えていくと予想される。一方で企業が、従来どおりのフルタイム勤務の社員を求めるという考え方を変えないならば、人手不足の問題はいつまでたっても解消されない。

 このギャップを埋めるために何をすべきか。富士通マーケティングの田中良和氏は、「自宅やサテライトオフィス、出張先や移動中など、場所に捉われない柔軟な働き方を可能とする環境を提供することが鍵を握っています」とテレワークの重要性を説いた。そしてテレワーク環境を構築する際の3つのポイントを示した。

 まずは「働き方のルール化と適切な労務管理」だ。富士通マーケティングでテレワーク(在宅勤務)を行っている社員は、その日の予定と実績を部員全員に共有することをルール化しているという。「ガラス張りにすることでメンバー間のコミュニケーションミスを防ぐことができ、スケジュール管理の精度も向上します」と田中氏は語った。要するに社員が目の前にいなくても、些細な変化を気づく仕組みづくりが重要だ。

テレワークは生産性向上や
事業継続でも新たな価値を生む

 次に「コミュニケーション効率化のためのインフラ整備」である。これについて推奨するのはOffice 365の活用である。WordやExcelなどのオフィスソフトはもちろん、Microsoft Teamsなどのグループウェアを使えるのがその理由だ。「メールよりも柔軟で寛容なチャットベースのコラボレーションが可能となります」と田中氏はメリットを強調した。

富士通株式会社
フロントコンピューティング事業本部
ビジネス企画統括部
プロモーション企画部
部長
丸子 正道 氏

 そして3つ目のポイントが「セキュリティ対策の見直し」である。富士通の丸子正道氏は、「お客様の間でも『最新のサイバー攻撃に対して強い環境を作りたい』『PCを安心して持ち出せるセキュリティ対策を行いたい』というニーズが高まっています」と語った。そして、未知のマルウェア対策に高い効果を発揮する「ふるまい検知」、アカウント漏えい対策として従来のID/パスワードに代わる「手のひら静脈認証」、データ持出しによる漏えい対策の「覗き見防止・秘密分散」などのソリューションについて解説した。

 さらに、社外に持ち歩くことを前提としたモバイルPCとして、質量799グラムの薄軽ボディに驚異的なプラットフォーム性能を実現した第8世代インテル® Core i5 プロセッサーを搭載した富士通「LIFEBOOK U938」の実物や、会議室に設置するだけで参加者の画面を簡単に共有できるIntel Unite® ソリューションも紹介した。

 「こうしたテレワークの仕組みは、多様な人材が活躍できる職場環境をつくるのに加え、すき間時間を活用した生産性向上や災害時等への迅速な対応などでも新たな価値を生み出します」と田中氏は総括した。今、多くの企業が社内のPCをWindows 10に切り替えるタイミングにあるが、まさにテレワーク導入の絶好のチャンスでもある。

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