21年以上を経過する基幹システムが6割を超え、レガシーシステムの技術的負債とIT人材の不足が指摘される「2025年の崖」。DX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、競争優位性を高めるためには、この危機を好機と捉え、未来のビジネスに向けて戦略的にIT投資を行うことが重要だ。ITインフラが企業の経営戦略を支える大切な役割を担い、広がりを見せるなか、いかに最適なインフラ運用を実現していけばよいのか。

オンプレミスインフラのモダナイゼーションで
投資と人材に余力を生み出す

2025年までにシステム刷新を集中的に推進しなければ、日本企業はデジタル競争の敗者になる――。『DXレポート 〜ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開〜』(経産省、以下DXレポート)による指摘は、多くの経営者が共有する危機感ではないだろうか。2020年春から、日本においても超高速かつ大容量、低遅延の通信を実現する5G(第5世代移動通信システム)のサービスが始まる。AIやIoTなどデジタル技術を使ってデータを活用できる企業と、老朽化したシステムによりデータを活用できない企業との競争力の差は広がるばかりだ。

DXは手段にすぎず、目的ではない。DXレポートにおける「DX推進は経営改革そのものである」との指摘は事の本質をついている。レガシーシステムに要する維持管理コストが高止まりしているなか、IT投資に人材、時間、資金を振り向けられないという現状をいかに打開していくか。デジタル時代を勝ち抜くために、経営のリーダーシップのもとで開発・運用・保守のポートフォリオを俯瞰し、全体最適の観点で業務プロセス改革と併せてIT構造改革に取り組むことが必須となる。

次世代ITプラットフォームとして、新規ビジネスモデルの創造や展開をスピーディに行うためにクラウドを利用するトレンドはすでに不可逆である。その一方で、事業継続の観点ではオンプレミスの既存システムを堅持することもとても大事だ。また現実問題としてビジネスのあらゆるシーンでデータが激増するなか、すべてがクラウドで完結することはありえない。大事なポイントは、オンプレミスインフラにもクラウドのスピードや柔軟性が求められるという点だ。では、インフラ投資をする上で、費用対効果を最大化するにはどのようなポイントを重視すべきなのだろうか。

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