日経ビジネス電子版 Special 週刊日経ビジネス電子版 SPECIAL日経ビジネス電子版

生産性を向上し働き方改革を進めるには

かつてない人手不足に多くの中堅・中小企業が苦しんでいる。そうした中だからこそ生産性を高め、働き方改革を進め、ビジネスモデルを変革し、競争力を強化していくことが必要だ。ならば中堅・中小企業は具体的にどんな方策をとるべきか。そのヒントを探るべく「攻めのIT経営講座」が開催された。

基調
講演
町工場の製造現場の声を聞き
コミュニケーションツールを開発

諏訪 貴子 氏
ダイヤ精機株式会社
代表取締役
諏訪 貴子

 自動車業関連メーカー向けに鍛造用金型部品、治工具、ゲージなどの多品種少量生産を行い、新しい「ザ・町工場」を目指すダイヤ精機。その変革を主導しているのが、2004年に急逝した創業者の跡を継ぎ2代目社長に就任した諏訪貴子氏である。

 1年目に個々のレベルアップとモチベーションの向上を図る「社員の意識改革」、2年目に生産管理システムの全面変更をはじめとする「チャレンジ」、3年目に各業務のムダを排除して業務を標準化する「維持継続発展」を進めてきた。「企業が生まれ変わったことを意識付けするにはスピード感が必要でした」と諏訪氏は振り返った。

 それから14年を経てダイヤ精機は、製造業向けコミュニケーションツール「Lista」の開発・販売にも乗り出した。諏訪氏は、「シンプル・イズ・ザ・ベスト」「社長の想いが全社員に確実に届く」「かゆいところに手が届く便利機能」の3つのコンセプトを訴求。中小製造業の情報共有と業務効率化をサポートしていくという。

特別
講演
目指すべきは全体最適を指向した
ビジネスモデル全体の変革

三好 敏
日経BP総研
上席研究員
「ものづくり未来図」編集長
三好 敏

 製造業をめぐるデジタル変革の動きが加速している。2012年頃に盛り上がったビッグデータやIoT。2014年から2016年におけるインダストリー4.0(第4次産業革命)やスマート工場。2017年以降のデジタルトランスフォーメーション(DX)やAIなど、話題の焦点は変わっているが製造業の変革は着実に進んでいる。

 日経BP総研の三好 敏は、「デジタル化はすべての産業を巻き込む世界規模のムーブメントであり、企業の規模に関係なく無縁ではいられません。しかもその変革は情報システムの領域のみならず、工場の生産現場にも及んでいます」と語った。ならば「先手を打ってITを活用すべき」というのが同氏の主張だ。実際、目の前には人手不足、生産性向上、省力化、人材活用などの課題が山積しており、それらの解決のためにITは大きく貢献する。

 ただし目的はデジタル化ではないと言う。「目指すべきは全体最適を指向したビジネスモデル全体の革新にあります」(同氏)。さらに、その実現に向けて中堅・中小企業の奮起を促した。