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SDGs時代の新・エネルギー戦略とは

SDGsやESG投資、RE100など企業の再生可能エネルギー利用を促す動きが世界的に活発になっている。企業の取り組みとして大きな注目を集めるのが、太陽光発電の自家消費だ。工場の屋根や空き地で太陽光発電を行い、それを自社で使うことで再生可能エネルギーの活用を図る。同時に、エネルギーコストも抑制できる。電気は「買う」時代から「作る」時代になったのだ。太陽光発電の自家消費の仕組みやメリットについて、エネルギーにまつわるソリューションをトータルに展開するLooopの藤原 啓介氏に聞いた。

SDGs対応、経営課題を解決する
太陽光発電の自家消費

 2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を筆頭に、環境、社会、企業統治に配慮した企業に投資するESG投資、事業のためのエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達するRE100に取り組む企業が急増している。SDGsには17の目標の中に169のターゲットがある。企業が最も導入しやすいのが7番目の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」だ。

株式会社Looop EPC事業本部
自家消費営業部 営業課 課長
藤原啓介氏

 一方、RE100には、日本企業を含め、世界で150社以上が加盟。「現在は大手企業が中心ですが、再生可能エネルギーの発電コストの一層の低下が見込まれる中で、加盟の動きはさらに加速し、中堅・中小企業へも浸透していきます。すでに多くの企業が、少しずつではありますが、企業運営で消費する電力を再生可能エネルギーにシフトしていこうという目標を掲げています」とLooop EPC事業本部 自家消費営業部 営業課 課長の藤原啓介氏は語る。

 太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの利用は、経営にも大きなメリットをもたらす。エネルギーコストを下げる近道は照明をLEDに切り替えることだが、すでにほとんどの企業が実施済み。では、次に取り組むべき施策は何か。ここで「消費電力の削減ではなく、電力会社から購入する電気を削減する」と、発想を変えてみる。

 電気を太陽光発電の自家消費に切り替えれば、エネルギーコスト全体の削減が実現するわけだ。「自家消費とは、自分で電力を発電し、自分で使用することです。工場などの屋根や空き地に設置した太陽光発電設備で発電し、昼間に使う電気を自給自足、余った電気は電力会社に売却し、太陽光発電で賄えない部分のみ購入するのです。そうすると、電力会社から購入する電気を減らすことができ、エネルギーコストの削減につながります」(藤原氏)

電気は、買う時代から作る時代へ
安価な電気をフル活用

 従来、太陽光発電は設置した太陽光発電設備で発電した電気を電力会社に売るモデルが主流だった。産業用太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)単価は電気料金単価よりも高いため、売電で利益を得られたのだ。

 ところが2017年度には、FIT単価は電気料金単価とほぼ同額になり、2018年度からは多くの場合、電気料金よりも安い売電単価が適用。そのため、全量売電するよりも、自家消費のほうが得になる。「今後は発電した電気をその場で使い、不足分を電力会社から購入する自家消費が主流になっていくでしょう」(藤原氏)

 加えて、今後FITの財源である再生可能エネルギー発電促進賦課金(以下、再エネ賦課金)が値上げされていく。さらに、原発事故処理費用の一部負担金も電気料金の中に織り込まれる。「再エネ賦課金は2018年1kWh当たり2.9円ですが、再生可能エネルギーの利用増に伴って上昇し、2030年には4~5円になると予想しています。そうすると、高圧契約の電気料金単価が現状維持の場合、再エネ賦課金が電気料金の約20%近くを占め、電気料金の総額が上がることが見込まれます」(藤原氏)

 また、電気料金は電力会社によって異なるので、立地地域も勘案した上で、企業は自家消費を軸にしたエネルギー戦略を立てなければならない。そのときにベストな選択の一つが、Looopの「MY自家消費セット」の利用だろう。

 MY自家消費セットには「電気は『買う』から『作る』時代へ」をコンセプトに、太陽光発電設備の設置、余剰電気買取と不足電気供給、オプションでの蓄電地設置と設備保守など、必要なサービスがすべて盛り込まれている。

 例えば、発電設備容量100kWの太陽光発電装置の導入費用は約1,300万円、20年間発電すると、発電量は約2,100MWh(メガワットアワー)となり、1kWh当たりのコストは大手電力会社から買うよりも安く発電し、使用することが可能になる。「世界中で太陽光発電の導入が進み、FITが採用されている中で、太陽光発電技術は成熟しています。ソーラーパネルなど装置も高品質になり、価格も大きく下がっています。MY自家消費セットの利用で、そのメリットを最大限享受できるはずです」(藤原氏)

初期投資ゼロ
運用負荷も軽減

 MY自家消費セットの強みは、部材調達、設置工事・電気工事、発電監視、発電所運営・メンテナンス、電力買取までの全プロセスを一気通貫で行うことだ(図1)。一般的な太陽光システム販売会社は、各段階で他社への依存度が高く、高コストになりがちだ。それに対してLooopはすべて自社で対応するため、安価に導入できる。

図1 太陽光発電事業全段階を一気通貫で実行

 MY自家消費セットでは、太陽光発電で発電した電気を工場や施設が稼働している昼間に使い、電力会社から購入する電気を大幅に減らした上で、余れば売電して収益化する。また、電気が不足した場合や夜間など自家消費で賄えない場合にはLooopでんきから割安な電気を購入できる。さらに中小企業の場合、平成31年度までの優遇税制制度の活用による節税も可能になる。

 加えて、災害や停電時には、日照時に限り非常用電源としても使える。「発電量は遠隔監視システム『みえるーぷ』で、スマホなどから簡単にチェックできます。また保守管理サービス『まもるーぷ』で、監視やメンテナンスもサービスとして行っています。太陽光発電を初めて導入したご担当者様から、安心して容易に運用できるという評価を頂いています」(藤原氏)

 土日などに出てしまった余剰電力に関しては、Looopが固定価格(最低額7円以上)で買い取る「Looop FIT」を提供。電力会社の系統状況にもよるが、余剰電力の買い取りをすることで、導入メリットをアップさせ、事業リスクの低減を図ることができる。

 その上で、手元資金がない企業は「初期投資0円」でMY自家消費セットを導入できる分割購入も行っている。10年間の割賦販売契約を結び、太陽光発電設備とLooopでんきによる削減額に加えて余剰売電額から代金を毎月分割で支払うことで、初期投資負担額は実質0円になる。分割購入では初年度から黒字を確保でき、支払いが終われば設備は契約企業のものになるので、11年目を境に急速に利益が拡大する。

投資回収期間は5年~
発電設備を顧客施設に設置も

 MY自家消費セットでは、太陽光発電で年間電力使用量は低減、余剰電力は売電が可能で、再エネ賦課金は自家消費で相殺する。発電設備を屋根に設置した場合、夏は遮熱、冬は保温効果も発揮する。「契約電力96kW、年間電力使用量253,056kWhの工場をモデルにすると、約100kWの発電設備を導入した場合、費用が約1,300万円になります。年間の自家消費分の電気料金削減額が200万円、電力購入部分をLooopでんきへの切り替えによる割引が40万円で、合計240万円のコスト削減になります。導入費用は、5年以内で回収できる見込みです(図2)」(藤原氏)

図2 工場をモデルにした年間の導入メリット

 もう一つ、Looopが積極的に展開する事業が「PPA(電力買取契約)モデル」だ。PPAモデルでは、豪雪地帯以外で屋根および敷地に空きがあり、日中の需要電力が太陽光発電より大きい工場やホームセンターなどの施設に対して、Looopが自社資産として自家消費型太陽光発電設備を無償で設置し、発電した電気をその事業者に販売する。契約期間は10年で、10年目以降店舗が営業し続ける場合はサービスを継続、10年以内の解約の場合は契約企業が違約金を支払うという仕組みだ。

 「大手電力会社の高圧電力の単価は再エネ賦課金込みで約18〜20円/kWhほどで、次第に価格が上がっていく見込みです。それに対してLooopは、現状の電力単価よりも安く太陽光電源を供給することにより、お客様にメリットを享受していただきます」(藤原氏)

 電気は「買う」時代から「作る」時代へーー。LooopのMY自家消費セットは、エネルギーコストを大きく削減するばかりか、SDGsやRE100への取り組みを検討する企業にとって、非常に有効な一手となるだろう。

COLUMN
中部電力株式会社
販売カンパニー
事業戦略室
戦略グループ長
八木貴央氏
 太陽光発電は、これまで主にFIT(固定価格買取制度)によって普及促進されてきましたが、資機材などのコストダウンが進展し、今後はFITを活用しない太陽光発電が拡大すると見込んでいます。特に企業向けの自家消費モデルは、構内や屋根に太陽光発電設備を設置するなど、至近に普及が進むものと思われます。中部電力グループは「一歩先を行く総合エネルギー企業グループ」を目指して事業領域の拡大を進めており、株式会社Looopのような太陽光発電を手掛ける事業者との業務提携を進め、太陽光発電と当社の電気を組み合わせたサービスを提供するなど、お客さまのニーズに対応できるように努めていきたいと考えています。
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    株式会社Looop

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    『MY自家消費セット』

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