Key Person Interview【業務効率化】業務プロセスを可視化し、把握せよ それがITの効果を引き出す第一歩

中小企業における人手不足がますます加速している。そうした中、新たな製品・サービスの開発によって市場競争力を高めたり、社員が求める多様な働き方への対応を進めたりするためには、ITをフル活用して業務のムダをできるだけ少なくする努力が欠かせない。企業全体を俯瞰し、ビジネス最適化を主導すべき経営者は今、どのような視点を持つべきなのか。中小企業のIT活用状況に詳しいITコーディネータ協会 会長の澁谷裕以氏に聞いた。
聞き手:日経BP総研 イノベーションICTラボ 所長 星野 友彦

中小企業のIT活用を経営者の立場から支援

——はじめに、ITコーディネータ協会の活動について教えてください。

澁谷ITコーディネータ協会は、経済産業省の推進資格である「ITコーディネータ」の資格認定、教育カリキュラムの策定、研修などの活動を行うNPO法人です。2001年2月の発足以来、中小企業の経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立った助言・支援を担うITコーディネータ人材の育成に取り組んできました。

現在は、今一度、創設時の原点に立ち返って抜本的な改革を進めているところです。定款も変更し、ITコーディネータの役割を「経営者と対話をしながら、経営戦略のなかでITをどのように活用するかを経営者とともに考える」ことと明確化しました。これに基づき、従来からの「資格認定」や「研修実施」といった活動に加えて、「ITコーディネータと経営者とのマッチング支援」も積極的に行う方針を据えています。

ITに違和感を抱く中小企業経営者 その理由は

——中小企業の取り組みを数多くご覧になってきた立場から、現在のIT活用の課題をどのように見ていますか。

特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 会長 澁谷 裕以氏

澁谷経済産業省の中小企業白書にもある通り、労働生産性が大企業の1/2程度である点が大きな課題です。人が少なく、生産性の点でも水をあけられているのでは、飛躍的な成長につなげることは難しい。いかにして労働生産性を向上し、ビジネスの収益性を高めるか、さらには今後の成長に向けた新たなビジネスモデルを描いていくかが中小企業の重要なテーマとなっています。経営者には、ITを経営の力として活用していく視点が求められているといえるでしょう。

ところが、中小企業の経営者の中には、ITに対し「違和感」を抱いているケースが多いのが実態です。これが、中小企業がITの積極的な利活用を進める際の大きな障壁となっています。

——ITに対する違和感とは、具体的にどのようなものでしょうか。

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※ 2018年版 中小企業白書/中小企業庁 「中小企業の労働生産性」
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/index.html