日経ビジネス電子版 SPECIAL

日本全国で冠婚葬祭関連のサービスを展開する日本セレモニー。M&Aの繰り返しと短期的なデータ施策で同社のシステムは複雑化し、データは分散。そのため、データ収集の負荷は重くビジネスの現状把握にも時間がかかっていた。そこで、データドリブンで顧客満足度を高めようと、同社はオラクルのクラウドをベースにデータ活用基盤の構築を決定。さらに、将来的にはAIを活用し、さらなる顧客満足度向上にも取り組もうとしている。

システム部門の本業回帰と経営部門の意思決定を迅速化

 

株式会社日本セレモニー
情報システム課
課長
中村 健次

メーカー系SIerでシステム開発に携わった後、2001年に日本セレモニーに入社。システム部門で社内システムやITインフラの企画、設計、保守運用を担当。12年より部門責任者。

日本セレモニーは山口県下関市に本社を置き、冠婚葬祭関連のサービスを全国で提供している。ブライダル事業とフューネラル(葬儀・葬祭)事業を中心に、介護やホテル、レストランなどの分野にも事業を拡大する。

近年、冠婚葬祭業界を取り巻く環境は厳しさを増している。葬儀は小型化、簡素化が進み、斡旋する事業者の新規参入という動きも活発だ。一方で、結婚式は少子化の影響もあり、市場そのものが縮小傾向にある。また、サービス業全体に言えることだが、近年の人手不足、労働規制強化の動きにも向き合わなければならない。

「昨今、サービス業では人材確保がますます難しくなっています。また、冠婚葬祭の現場では、どうしても長時間労働になりがちです。法改正や労働環境も変わりつつある中で、人材確保と働き方改革を進めるためには、生産性を高めなければなりません。この業界では『生産性の高さ=競争力』と言っても過言ではないでしょう」。そう語るのは、日本セレモニー 情報システム課 課長の中村健次氏である。

規模の経済(スケールメリット)は生産性向上につながる。そんな狙いもあるのだろう、日本セレモニーは積極的にM&Aを行っており、現在では、東北から九州まで400以上の施設を展開。ただ、M&Aに伴う課題も浮上しているという。

「傘下に入ったグループ企業は、それぞれが別々のシステムを運用しています。基本的には本社システムへの統合を進めているのですが、分散しているシステムやデータを一気に統合するのは難しい」と中村氏。例えば、本社に報告される共通の言語(KPI)の非統一は現状把握を困難にし、意思決定にも悪影響を与えかねない。同社にとって切実な経営課題である。

中村氏の属する情報システム課の生産性向上も課題だった。同課のメンバーは十数人だが、業務時間の多くを資料作成に費やしていたという。

「情報システム課では1日の仕事の3分の1、メンバーによっては半分以上が資料作成に費やされていました。経営陣や事業部門から『こういう情報が欲しい』と要望があり、対応に追われていたのです。分散したデータを抽出して、Excelにまとめるという定型的な業務ですが、属人化しているため、『どこにデータがあるのか』『どう抽出すればいいのか』を特定のメンバーしか知らないことが多いのです」

ビジネスの見える化を進めて、データドリブンの経営で顧客満足度の向上と収益拡大を目指す。同時に生産性を高めて、より付加価値の高い業務に集中する。これらを実現するために、日本セレモニーはオラクルのクラウド導入を決断した。

M&Aにより社内システムは複雑化。データが分散していることで、欲しい情報を集約・分析することが難しくなっていた。また、特定メンバーしかデータを参照できないなどの課題もあった。解決策として、日本セレモニーはオラクルのクラウドを選択した。

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