日経ビジネス電子版 SPECIAL

ウエディングドレスおよびタキシード等の製造・卸売りや結婚式場とその衣裳室の運営などを手掛けるクラウディアホールディングス。1976年の設立以来、変化を続けるビジネスにITが追いつくのは容易なことではなかった。15年以上使ってきたシステムから必要な情報をすぐに取り出せないことが、大きな課題だった。また、デジタル化が難しくITが進んでいる業界とは言えないため、前例も少ない。その中で、同社はいかにして課題を解決していくのか。IT部門の担当者へのインタビューからひもといていく。

ビジネスの拡大にITが追いつかず、必要な情報を抽出できない

 

株式会社クラウディア
生産管理部長
竹下 洋志

1992年に入社し、2016年より現職。入社以来いくつかの部門で勤務したが、商品企画部で衣裳のデザイナーとしての経験もあり、自身の結婚式では花嫁の衣裳を自らデザインした。ここでの経験は、生産管理の仕事でも役立っているという。

ブライダル関連事業を展開するクラウディアは、1976年に京都市で設立された老舗企業だ。設立以後、着実な成長を続け2017年に持ち株会社体制に移行し、現在はクラウディアホールディングスとして東京証券取引所第一部に上場を果たす。売上高は124億円(2019年8月期)に達する。

事業の柱はホールセール事業とコンシューマー事業の2つである。前者は祖業であり、婚礼衣裳などを扱う貸衣裳店に対して、商品を提供するメーカーおよび卸売りの機能を担う。その後、結婚式場やその衣裳室運営・リゾートウエディングにもビジネスを拡大させ、コンシューマー事業として展開している。日本における婚姻件数は1970年代をピークに減少傾向をたどっているが、こうした中でも、同社は事業エリアを広げながら成長を続けてきた。今年3月に婚礼写真に強い老舗写真館から事業を継承するなど、近年はコンシューマー事業に注力している。

事業の長期的な拡大に伴い、運営する式場や衣裳室の数は増え、取引先も増える。組織体制や仕組みを成長スピードに合わせて整備するのは、容易なことではない。それはITも同様だ。急成長企業の多くは、どこかのタイミングで一種の“成長痛”を経験しているはずだ。同社にとって、それはビジネスの可視化や分析に関わる課題だった。

クラウディア生産管理部長の竹下洋志氏は「基幹システムの柔軟性が低く、欲しい情報を迅速にレポートとして取り出すのが難しかった」と語る。「どこで利益が出ているのか」「どの店舗にどんな課題があるのか」を経営層やマネジャーがすぐに把握できなければ、どうしても次の打ち手が遅れてしまう。同じような課題を抱えている企業は、少なくないはずだ。

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