日経ビジネスONLINE SPECIAL

デジタルトランスフォーメーション時代の「ビジネスを止めない」IT部門のあり方

デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)によって生産や販売の“あり方”が大きく変わるなか、これらの事業活動を根底から支えるIT基盤の安定稼働が重要課題となっている。ひとたびシステムに不具合が生じれば、生産能力の低下や売上ダウンというクリティカルな問題に直結するからだ。属人的な従来のIT運用を、最新テクノロジーによって自動化することは「ビジネスを止めない」ために不可欠な時代になっている。

システムダウンは
売り上げダウンに直結する

 ロボットによる生産の自動化やCRM(顧客関係管理)、マーケティングオートメーションなど、生産から販売に至るすべてのことが、ICTなしでは機能しないほどに世の中のデジタル化が進んでいる。

 直近10年の変化に目を向けると、スマートデバイスの急速な普及やAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)の実用化、そしてビジネスのサービス化などが当たり前となり、DXと呼ばれるような変革が、ビジネスの至る所で見受けられるようになってきた。

 実際、今日わたしたちが手にする製品の多くは、原材料調達から生産、組み立て、梱包、発送に至るまで、ほとんど人の手を介することなく機械が処理している。エンドユーザーがスマートフォンで商品を購入すれば、人による受注処理を経由することなく、ダイレクトに生産から商品発送までのプロセスが動き出す仕組みが出来上がっているのだ。加えて、自動運転技術やドローンが実用化されれば、配送までもが完全に自動化すると言われている。

 このように、DXによってICTがビジネスを隙間なく支える関係になると、「システムをいかに止めないようにするか」ということが、今以上に経営を左右する大きな課題となる。

菊地 氏
ServiceNow Japan株式会社
ITオペレーションマネジメント事業部
事業部長
菊地崇宏
国内SI企業にて、大企業向けのアプリケーション基盤のプリセールスに従事したのち、金融機関向けパッケージソフトウェアベンダーにて、コンサルタントおよび製品企画を担当。その後、2つの米国のソフトウェア企業にて、Service Assurance Business Unitの技術責任者およびNimsoft Business Unitの責任者、Automation Productの責任者に従事する。2018年7月より現職。

 「自動化された生産ラインを動かすシステムに不具合が生じれば、装置そのものは正常でも生産が滞るのは言うまでもありませんし、それによって納入が遅れれば、売り上げに影響を及ぼすだけでなく、お客さまからの信頼を損なうことにもなりかねません」

 そう語るのは、ServiceNow Japan ITオペレーションマネジメント事業部 事業部長の菊地崇宏氏である。

 システムダウンは、そのまま売上ダウンに直結する――。言われてみれば当たり前のことだが、この事実に気付いていない経営者は意外に多いようだ。

 課題が内在しているのは生産現場ばかりではない。

 「たとえばオンラインショッピングでは、ネット上に『在庫あり』と表示されているのに、実際には商品がなく、発送までにかなりの日数がかかったり、最悪の場合、お客さまが完全にほったらかしにされてしまったりすることがあります。システムのどこかに不具合が生じて実棚在庫との食い違いが生じているわけですが、それを見逃すことによって、知らないうちにお客さまに不利益を与えてしまっているのです」

 同様のオンラインショッピングサービスを提供している会社は、世の中に数あまたある。ひとたび「対応の悪い会社だ」という評判が広がれば、たちまち競合に市場を奪われてしまうだろう。システムを止めないだけでなく、いかに正常かつ安定的に稼働させるかということが、ビジネスにおける“生命線”となりつつあるのだ。

 人が処理していた仕事を自動化すれば、生産効率は飛躍的に向上し、よりタイムリーな商品・サービスの提供によって売り上げを伸ばすこともできる。

 その一方で、自動化により人の手を離れると「正常に動いていることを誰が保証するのか」という課題に目を向ける必要がある。「人間と違ってシステムはミスをしないので、何事も問題なく処理してくれるだろう」という、性善説に基づいた思い込みがあるからだ。

 「実際には、システムを構成する複数の要素が複雑に絡み合い、個々のエラーからシステム全体の稼働状況を見極めることが難しくなってきています。この事実を十分認識したうえで、いかに監視の精度を高め、システムを止めない仕組みづくりをするかが、DX時代における重要な経営課題のひとつになっています」と菊地氏は語る。

 では、どのような解決策が考えられるのか? 次のページから詳しく説明しよう。

運用負荷の増大によってシステムの開発がおろそかに/次ページではIT部門の運用負担を軽減する画期的なソリューションを紹介!

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