日経ビジネスONLINE SPECIAL

「人」にフォーカスしたデジタル変革で「働き方改革」を実現させる

コンシューマー領域における変革を
業務効率の改善に応用する

 ServiceNowが可能にする「『人』にフォーカスしたデジタル変革」。それは「いつでも、どこでも、使いやすくて、自分好みに使える業務プラットフォームによって、ボタンを1つ押せば、さまざまな業務がエンドツーエンドで完結する業務プロセスを実現すること」だと村瀬氏は言う。

 分かりやすい例として村瀬氏が挙げるのは、AmazonやUber Eatsなどに代表される最新テクノロジーを駆使したコンシューマー(一般消費者)向けサービスである。

 「Amazonではさまざまな商品が購入できますが、買える商品そのものには昔も今も違いはありません。大きく変わったのは、購入に至るまでのプロセスです。今までの買い物では、店に出向いてほしい商品を探し、財布を出してお金を払い、大きな商品はクルマに載せて運ばなければなりませんでした。しかしAmazonなら、ネットで商品を探して注文ボタンを押せば、決済から配送までのすべてのプロセスが完了します。これはデジタル変革の代表例といえるでしょう。このようにコンシューマー領域で起こったデジタル変革を企業の業務に応用し、飛躍的な効率化を実現するのが、ServiceNowのプラットフォームである『Now Platform®』なのです」

 例えば企業の従業員は、それぞれの本業のほかに、人事・労務関連の諸手続きや、業務で使用するパソコンやタブレット端末の購入申請、故障の修理依頼といった、さまざまな間接業務をこなさなければならない。

 通常、これらの間接業務は担当部署と電話やメールをやり取りすることで処理されるが、ボタン1つで出前が注文できるUber Eatsのように、スマートフォンを使って「いつでも、どこでも、便利に」申請できるようにするのが『Now Platform®』なのだ。

 「便利さ」を極めるため、『Now Platform®』にはAI(人工知能)によるマシンラーニングやチャットボットなどのテクノロジーもふんだんに採り入れられている。

 「例えば、仕事で使用しているパソコンが壊れたとき、従業員がスマートフォンを使い、パソコンを写真に撮ってチャット画面にアップすると、AIは画像を自動認識して『お使いのパソコンの画面に何か問題が発生しましたか?』と問い掛けてきます。その後、通常のチャットと同じように会話を何度かやり取りすると、修理や新しいパソコンの手配が完了するという仕組みです」と村瀬氏は説明する。

 このように、最新テクノロジーを駆使してユーザーエクスペリエンスを高めているのも『Now Platform®』の大きな特徴だ。

すぐれたユーザーエクスペリエンスが
企業の生産性向上を促す

 『Now Platform®』がユーザーエクスペリエンスの高さを追求しているのは、それこそが「『人』にフォーカスしたデジタル変革」の要であるというServiceNowの思想が反映されているからだ。

 村瀬氏は、「デジタル変革には、『顧客エンゲージメントの再構築』と『業務生産性の変革』という2つの大きなアジェンダがあります。前者はAmazonがAIなどを駆使して顧客に商品を勧めるように、顧客体験のパーソナライズ化や予測対応によって顧客満足を高める動き。後者は、IT全体の標準化やサービス可用性の向上などによって、社内の業務生産性を高める動きです。いずれも重要な取り組みではありますが、当社は、この2つを実現するためには、『従業員体験の高度化』というもう一つの重要なアジェンダを達成する必要があると考えています。なぜなら、従業員が業務の余計な負担から解放されてこそ、初めて顧客重視や、業務生産性向上のための取り組みが動き出すからです」と語る。

 だからこそServiceNowはユーザーエクスペリエンスにこだわっており、最近ではSLA(サービス・レベル・アグリーメント)と同等以上に XLA(エクスペリエンス・レベル・アグリーメント)を重視しているのだという。

 「利用企業の従業員の方々が『本当に便利だ』と思ってくださるようなプラットフォームを提供することが、われわれの使命なのです」と村瀬氏は言う。

 便利さを支えているもう一つの特徴が、あらゆる業務プロセスをエンドツーエンドで完結できる『Now Platform®』の網羅性である。

 そもそも『Now Platform®』は、ServiceNowの創業者であるフレッド・ルディ氏が、「あらゆる業務プロセスに対応するシステムを、ボタン1つで構築できるプラットフォーム」として2004年にリリースしたものだ。

 通常、新たな業務用アプリケーションを構築するには、開発やIT機器の購入など、それなりの時間と費用を要するが、ルディ氏は「ワークフローとデータベース、モバイル、ポータルの機能さえあれば、大抵のアプリケーションはその組み合わせによって簡単に構築できる」ということを認識していた。そこで、クラウドのプラットフォーム上でこれらの機能を提供し、それを自在に組み合わせて、利用企業が使いやすいアプリを構築できるようにするサービスを開始したのだ。

 このように、複数のアプリが同一プラットフォーム上で同じ機能を共有するため、『Now Platform®』上で動くそれぞれのアプリは非常に連携性が高い。例えば、人事関連アプリ上で従業員がプロフィールを入力すると、その情報がそのままITサービスマネジメントのアプリにも反映される。

 「従業員の方々は、別々のアプリに何度もプロフィールを入力する手間がなくなるので、従業員体験が上がり、顧客満足が改善します。その意味でも、非常に『人』に寄り添ったプラットフォームであるといえます」

デジタルトランスフォーメーションアジェンダ
デジタル変革の主なアジェンダは、「顧客エンゲージメントの再構築」と「業務生産性の変革」の2つ。しかし、これらを実現するには「従業員体験の高度化」が欠かせない。
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